作曲家は、
楽曲の終わらせ方というのは
楽曲の始め方と同じくらい重視していて
場合によっては
頭を悩ませてもいます。
実際のピアノ音楽を見ていると、
力強く終わるか
スッと消えていくように美しく終わるかの
どちらかのパターンが多い中、
「逃げるように去る締めくくり方」
も出てくることに気が付きます。
例えば、以下のようなもの。
ラヴェル「鏡 より 蛾」
譜例(PD作品、Finaleで作成、曲尾)
満足感をもって終わるというよりは、
「あれっ、何?終わったの?」
とでも思わせるかのような締めくくり方ですね。
このような締めくくりは、
情景描写がされた作品や調性が無い作品では
特に見られる傾向にあります。
もう少しオーソドックスな例を見てみましょう。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第10番 ト長調 作品14-2 第3楽章」
譜例(PD作品、Sibeliusで作成、曲尾)
逃げるように去る終わり方に感じませんか。
例えばそのように解釈した場合は、
「テンポをゆるめず、ノンストップでサッと弾き切ったほうが雰囲気が出るかも」
などと、演奏の仕方にも結びつけてみることができますね。
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【ピアノ】サラッと終わる曲尾ではrit.しないで
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