以下の写真を見てください。
弦の上に乗っている、いくつも並んでいる黒いものがダンパー。
(写真:自身で用意した写真です。無断転載はしないでください。)
理解するためには
たった1音だけで弾く場合をもとに
考えてみる必要があります。
B. 1音を弾いたのち、ダンパーペダルを踏みこむ
C. ダンパーペダルを踏みこんだままにしておいてから、1音を弾く
この3パターンをすべて試してみてください。
打鍵の強さなどの条件をそろえた場合、
A→B→C の順番で響きの豊かさが増していきます。
まず、以下の2点を踏まえておいてください。
ダンパーペダルを使用していない場合、
鍵盤を下ろしているあいだは
その鍵盤に対応するダンパーのみが上がりっぱなしになる
ダンパーペダルを使用しているあいだは
すべてのダンパーが上がりっぱなしになる
ひとつずつ見ていきましょう。
A. 終始ダンパーペダルなしで、1音を弾く
ダンパーペダルを使用していないので
弾いた1音に対応するダンパーのみが上がり
そのときに解放された弦が響くことになります。
(厳密に言えば、最高音域のおよそ1オクターヴ半にはダンパーはついていませんが…)
B. 1音を弾いたのち、ダンパーペダルを踏みこむ
1音を弾いた直後は
その1音に対応するダンパーのみが上がり、
上記Aと同条件です。
しかし、その後にダンパーペダルを踏み込んだ瞬間に
一気にそれ以外のすべてのダンパーも上がるため
すべての弦が響く状態になります。
つまり、トンネル効果による共鳴が起こるため
響きが豊かになるということ。
Aの場合も
弾いた1音に対応する弦は響いていたわけなので、
AとBの違いは、
「その鍵盤に対応していない他の弦が共鳴している響き、があるかないか」
という部分からくるわけです。
C. ダンパーペダルを踏みこんだままにしておいてから、1音を弾く
これから弾く予定の鍵盤に対応するダンパーも含め、
はじめからすべてのダンパーを弦から解放しているわけなので、
弾いた瞬間からすべての弦が共鳴します。
ここまでを理解できれば、
なぜ、A→B→C の順番で響きの豊かさが増していくのかがわかるはずです。
結局は、
「他の弦の共鳴をどの程度活用するのか」
というのが、
響きの豊かさを左右する大きなポイントということになります。
「弾いたその音に対応する弦だけが響きを決めているわけではない」
ということを再確認してください。
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