まず最初に
手の交差でメロディを弾く
それも、和音としてのカタマリから
トップノートを取り出す例を見てみましょう。
フランク「プレリュード、コラールとフーガ ロ短調 M.21」
譜例(PD作品、Finaleで作成、コラールの11-13小節)
本楽曲の一部は交差の嵐なのですが、
このテクニックは
ときに他の楽曲へも応用できます。
「手の交差」というのは
上記の例のように連続で出てくると
なかなか弾きにくいもの。
しかし、
一発のみ取り入れる場合は
むしろ難所の難易度を下げることができるケースもあります。
例えば、以下のような例。
ショパン「 24のプレリュード(前奏曲集)第7番 Op.28-7 イ長調」
譜例(PD作品、Finaleで作成、12小節目)
左の譜例を見てください。
通常の運指の場合は
右手の親指でAis音とCis音の両方を押さえなくてはいけないので
大事な楽曲いちばんのクライマックスであるにも関わらず
結構、失敗が起きやすい箇所になります。
それを手の交差で解決した例は、右の譜例。
メロディ音を
交差した手で弾くことにより
格段に弾きやすくなっています。
アルペッジョにしてしまうという変更はありますが、
この変更は
かねてから多くのピアニストが取り入れており
決して珍しいものではありません。
それに、
きちんとクライマックスを作りさえすれば
音楽的にも問題になるような変更ではありません。
場合によっては、検討してみてもいいでしょう。
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