具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第21番 ハ長調 op.53 ワルトシュタイン 第3楽章」
譜例(PD作品、Finaleで作成、曲尾)
最後の2小節が ff ではなく f であることに
気が付いていましたか。
楽曲の最後付近に ff が出てくるので
最後の最後も ff でいくと思い込んでしまっているのか、
差がつけられていない演奏も耳にします。
「多分こうだろう」という思い込みがあって、
しかも弾く音型や音が似ていると、
f が ff に見えてしまう。
15時の「5時」だけを拾って
17時と勘違いしてしまうみたいに。
いずれにしても、
譜読みのとき最大の敵は「思い込み」だと
今一度腑に落として欲しいと思います。
(再掲)
ここからは余談です。
f になっているのは
ベートーヴェンの単なる思いつきではありません。
最後の2小節だけ音域が1オクターヴ変化していることに
注目してください。
ある意味、別の表現なんです。
仮にオーケストラで演奏するとしたら
たとえトゥッティには変わりなくても
最後の2小節はオーケストレーションが変わるでしょう。
このような理由から、
最後の4小節間で
ダンパーペダルを踏みっぱなしにする解釈は
疑問に感じます。
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