【ピアノ】作曲家がrit.を書く理由

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本記事では、
「rit.の考え方」について
話題にしています。

 

rit.が書かれているところは

何となく遅くしていくのではなく

作曲家の意図を想像してみましょう。

 

「”段落の切れ目ですよ”ということを強調したかったのかもしれない」
「しっかりと鳴らすためにテンポを広げて欲しかったのかもしれない」

等々。

 

「”段落の切れ目ですよ”ということを強調したかったのかもしれない」

というのは、特によく当てはまります。

例えば、rit. と a tempo が書かれているとします。

このとき、

a tempoが書かれている直前に「線」を入れてみると

そこが段落の切れ目になっていることが多いのです。

当たり前のことのように感じるかもしれませんが、

これは近現代の作品など

段落の切れ目がわかりにくくなっている作品にも

かなり応用できる方法です。

覚えておいて損はありません。

 

「しっかりと鳴らすためにテンポを広げて欲しかったのかもしれない」

というのは、

やや例外的ですが

使われることはあります。

例えば、以前にテレビ放映されていた

「ピアニストがピアニストの卵を教える番組」では、

「ここに rit. は書かれていないけど、多少テンポを広げてでもしっかり鳴らして」

などと指導しているシーンがみられました。

書かれていない rit. をやたらに補うことは避けるべきですが、

前後関係で不自然にならないことが前提となっていれば

このように演奏することもあり得るのです。

 

繰り返しますが、

rit.が書かれているところは

何となく遅くしていくのではなく

作曲家の意図を想像してみましょう。

 

rit.というのは内容的には

「だんだん遅くしていく」

のですが、

それは結果的にそうなるだけであって

遅くすることが目的ではありません。

「遅くしていくことで得られる音楽表現」

作曲家は望んでいます。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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