「シャンドール ピアノ教本 身体・音・表現」 著 : ジョルジ・シャンドール 監訳 : 岡田 暁生 他 訳5名 / 春秋社
という書籍に、
以下のような記述があります。
極端な状態 ——つまり過度に腕を外側へ回すこと——
については心配要らない。
なぜならピアノを演奏する際に、
このポジションをとることは決してないからである。
(抜粋終わり)
シャンドールはこのように言っていますが、
過度でなければ
腕を少々外側へ回す奏法が使われることもあります。
その例を挙げておきましょう。
ブルグミュラー 25の練習曲 Op.100 より「牧歌」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
こういった音型では
ただパタパタと真上から打鍵するのではなく、
「手の平で砂を横へかき分けるときの手の使い方」
の動きの中で打鍵すると
びっくりするくらいまろやかな音色のレガートが得られます。
勝手に、自然に、
指の腹の広い面積を使うことになり、
しかも、自然と各音同士がオーバーラップすることになるからです。
右手の場合、
◉ 音型が鍵盤の左方向へ向かうところは手が少し右側に傾く(手の甲が右側へ向く)イメージ
まさに「砂かき分け奏法」。
指はできる限り鍵盤へつけたまま演奏します。
この前者、「右手の場合の、手を少し左側へ傾ける」というのが
腕を外側へ回す動作を用いる例。
反対に左手であれば
「手を少し右側へ傾ける」となります。
シンプルな譜例だと分かりやすいと思い
この譜例を取り上げましたが、
実際にこの作品へ取り組んでいる段階では
砂かき分け奏法を使いこなすのはなかなか難しいでしょう。
「こんな奏法があったな」というのを
うっすらでいいので覚えておけばOKです。
また、すでに中級レベル以上の学習をしている方は
この譜例を使って身に付けてみてください。
◉ シャンドール ピアノ教本 身体・音・表現 著 : ジョルジ・シャンドール 監訳 : 岡田 暁生 他 訳5名 / 春秋社
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