【ピアノ】際立たせたい内声の音を運指の工夫で抽出する方法

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際立たせたくても
なかなか上手く強調できない内声の音でさえ、
運指の工夫次第では
美しく抽出することができます。

 

具体例で見てみましょう。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ドビュッシー「前奏曲集 第1集 亜麻色の髪の乙女」

譜例(PD作品、Finaleで作成、30-31小節)

ここでの内声には

丸印で示したGes-As-Bというラインが隠されており、

第2の旋律として聴かせることが慣例となっています。

しかし、このB音を際立たせるのは

特にやりにくく感じる方もいるはず。

 

際立たせたい内声の音を運指の工夫で抽出する方法があります。

前後関係として可能であれば、

その音を、演奏する手の最上声か最下声へもってくるように

運指を工夫してください。

 

譜例の場合は具体的に、

l.h.で示した上段のGes音を左手でとってしまいます。

そうすることで

際立たせたいB音が

右手で演奏する音の中では最下声となるので

Ges音も右手で弾く場合に比べると

格段に際立たせやすくなります。

 

人間の頭のハタラキや手の構造的に、

親指と小指も使うとき

同時に打鍵する人差し指の打鍵を強調するのは

結構、困難なんです。

 

(再掲)

30小節目の丸印で示したGes-Asは

内声であるにも関わらず

なぜ際立たせやすいのかというと、

左手で演奏する音の中では最上声となっているから。

 

内声の特定の音を際立たせるためにできることとしては、

その音以外の各音を省略して打鍵する練習をしたり

際立たせたい音のほうへやや手を傾けたりと

あらゆるやり方があります。

それらに加えて、

楽曲の場面さえ許すのであれば

今回取り上げた内容を検討してみましょう。

何度も弾いたときの再現性も高いのでおすすめです。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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