J.S.バッハの作品をはじめ
対位法を駆使して書かれたポリフォニックな作品では
不協和音程の解決をきちんと聴き取ることがポイント。
具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
J.S.バッハ「インヴェンション 第6番 BWV 777」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、21-24小節)
21小節目以降、
2つの声部が同度からだんだんと開いていきます。
四角枠で囲ったところを見てください。
開いていく過程で
2度という不協和音程が生じて
それが、3度という協和音程へ解決しています。
不協和音程によって生じた緊張感が
協和音程へ解決することで解放される。
こういった部分が
不協和音程が出てくることの美しさ。
不協和を自分の耳できちんと聴いていないと
それを解決させるときのニュアンスを
美しくつくることができません。
J.S.バッハの作品では
上記のような表現が非常に多く出てきます。
「対位法」という教程では
2度、4度、7度の不協和音程が生じたときに
それをどのように解決させるのか、
ということも学びます。
対位法を駆使して書かれているJ.S.バッハの楽曲で
その聴き取りが重要になってくることは
言うまでもありません。
不協和音程が出てくる作品自体は
あらゆる作曲家によって作られています。
それなのにも関わらず
どうして作曲家を名指ししているのかというと、
後の時代になってくると
不協和音程を協和音程へ解決させずに放置して
先へ行ってしまう作品も多くでてくるから。
これは伝統的な対位法の規則からは外れますが
決して悪いわけではなく、
その作品が生まれた時代における
表現手段のひとつとして響きます。
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