具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
モーツァルト「ピアノソナタ 変ロ長調 K.333 第1楽章」
譜例(PD作品、Finaleで作成、43-44小節)
ここではオクターヴのメロディが連続しますが、
まず、43小節目のそれはつなげる必要ありません。
テヌートがついているイメージで演奏すればOK。
一方、ヘンレ版などの原典版では
44小節目にはスラーがついているので
レガートでつなげたいところですが、
ペダルを使うと
左手で演奏する音の濁りが気になってしまう。
テンポがAllegroなので
つなぎだけ補助的に踏むのも
ギクシャクする原因になってしまいます。
解決策は、意外にもシンプル。
◉ 下のオクターヴは親指をすべらせてつなげる
このように弾くといいでしょう。
黒鍵のオクターヴから白鍵のオクターヴへの連結だからこそ
できるテクニック。
(再掲)
黒鍵から白鍵へつなぐ場合は
たとえ短2度 “下行” する場合であっても
右手の4-5という運指が有効に使えます。
それほど手をひねる必要もありません。
加えて、黒鍵から白鍵へつなぐ場合は
親指を滑らせて
レガートに弾くこともできます。
したがって、
これらを組み合わせれば
オクターヴの連続を
ペダルなしでも
レガートに連結できるということ。
反対に、
5-4というように
はじめに5の指を使うのはどうなのかというと、
その場合、同時に親指をすべらせるのが
意外と難しいんですよ。
試してみると分かると思いますが、
ほとんどの方は
4-5で弾いたほうが
オクターヴ全体としては
美しく弾けるはずです。
黒鍵から白鍵へのつなぎにおいて、
◉ 左手の場合は、短2度 “上行” であっても、4-5でつなぐことができる
◉ 短2度の連結であれば、親指をすべらせてつなぐことができる
この3点がポイント。
また、これらの運指法は
オクターヴではなく
単音で弾いていく場合にも使えるテクニックなので
これを機に慣れておきましょう。
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