「ピアノは誰が触っても音が出る」
このような言い方は
時々耳にしますよね。
確かに音そのものは出ます。
一方、
出る音のクオリティについては
誰でも同じようにとはいきません。
プロの音が優れて聴こえるのはどうしてなのでしょうか。
もちろん、たった一音の質にも差は出ます。
ただ、よく考えてみてください。
◉ 同じ方向から打つ
◉ 同じ角度から打つ
これらの条件は
誰がどのように音を出しても
原則変わらないわけです。
どこに差が出るのかといえば、
「ハンマーへ与える速度」
ということになります。
これは、
偶然同じ速度になりさえすれば
プロが打鍵しても
子供が割りばしで鍵盤を突いても
同じ音がでてくるということ。
では、
奇跡を信じれば
誰にでも名演奏ができるのかというと
そんなことはありえません。
なぜかというと
奇跡は2度連続では起きないからです。
中には、
単音の素晴らしさを聴く作品もありますが、
基本的に音楽は
単音や和音が連結されて成立していきます。
ですので、
一回だけ奇跡が起きても
クオリティの高い演奏にはならないのです。
つまり、
プロの演奏は
◉ ヨコの軸(音のつながり)の演奏クオリティ
これらのどちらも優れているからこそ
音そのものはもちろん
音楽全体が優れて聴こえるということになります。
「指の腹を使って押し込んで」
「音を出したらすぐに力を解放してあげて」
などという指導が飛び交うのは、
「バーティカル」つまり
「タテの軸」をいかに音楽的に仕上げるかということに
観点があります。
また、
「タテ割りにならないように」
「音のつながりを意識して」
などというのは、
「ホリゾンタル」つまり
「ヨコの軸」に観点があります。
「タテの軸」はとても重要ですが、
奇跡を願ってもうまくいかないのは
特に「ヨコの軸」を音楽的に聴かせること。
両方の視点を忘れずに
音楽を考えていくことが
クオリティの高い演奏へ近づいていくためのポイントです。
具体的なやり方は
このブログでも度々解説していますので
参考にしてください。
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