具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
プロコフィエフ「子供の音楽-12のやさしい小品 後悔 Op.65-5」
譜例(PD作品、Sibeliusで作成、11-15小節)
11-12小節は
右手パートのメロディの「2オクターヴ下」で
メロディがオクターヴユニゾンされていますね。
これ自体、特徴的なサウンドを生み出していますが、
その先にはさらなる工夫が見られます。
カギマークで示した13-14小節では
右手パートのメロディの「1オクターヴ下」で
しかも「要所のみ」オクターヴユニゾンされています。
直前の2小節間とは
オクターヴ関係が変わったことと
なぞり方も要所のみになったことで
得られるサウンドに差が生まれていることに着目しましょう。
取り組んでいる作品の中に
オクターヴユニゾンが出てきたときは、
そのオクターヴ関係と
どのようななぞり方をしているのかに着目しながら
音を出してみる必要があります。
何となくで弾いたり聴いたりしていると
意識せずに通り過ぎてしまいそうな部分ですが、
上記のような差に耳を傾けてみると
ちょっとした作曲家の書法の書き分けが
音楽をどれだけ多彩にしているかが分かるはず。
楽曲理解やピアノアレンジをするときの引き出しにしてください。
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