前提として確認しておきたいのが、
改訂の手の入れ具合について。
過去の作品の弾きにくい部分のみを直したような
軽度な改訂から、
構成も大きく変わり
新しい作品が生まれたかのような重度な改訂(改作)があります。
改訂版が有名な作品のひとつとして
ラフマニノフ「ピアノソナタ第2番 Op.36(1931年版)」
がありますが、
この作品は
両者のちょうど中間をいっているようなイメージ。
弾きにくい部分以外にも
改訂の跡が結構見られます。
しかし、
例えば武満徹が
「二つのレント」から「リタニ」を生み出したような
重度の変更ではありません。
「どちらが弾きか」
ということの結論は
以下のようになります。
◉ 重度の改訂であれば、両方取り組むのがおすすめ
軽度の改訂であれば、改訂版に取り組むのがおすすめ
軽度の改訂であれば、
改訂版のほうを学習するといいでしょう。
改めるにあたって
音楽的な変更も見られたりしますが、
もっと顕著なのは
「たいてい、改訂版のほうが弾きやすくなっている」
ということ。
初演や再演を経て
さまざまな意見や作曲家自身の思うところがあって
変更されるわけなので、
こういった軽度な改訂の場合は
それに追従してしまって問題ありません。
重度の改訂であれば、両方取り組むのがおすすめ
重度の改訂の場合は、
元の作品の一部を残したり
その作品の素材を多く使っていたとしても
どちらかというと新曲感があります。
一概には言えませんが、
作曲家の意図として
「より良いものにしたいと思っていた」
というよりは
「前の作品を残したうえで新たなものをつくり出そうとした」
この可能性が高いわけです。
それぞれ別の顔としてとらえて、
両方を学習してみるといいでしょう。
とりあえず1曲だけ学習したい場合は、
ひんぱんに演奏会で取り上げられるほうを調べて
まずはそちらに挑戦してみましょう。
音源をはじめとした参考にできるものが
多く出ているからです。
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