シュナーベルも強調していますが、
以下のような「変終止(アーメン終止)」では
Ⅳ度和音のほうにやや重みを入れ
最終和音へ向かっておさめるように弾くと
「アーメン」の雰囲気を演出できます。
譜例(Finaleで作成)
これは、作曲家がダイナミクスをそう書いているかどうかではなく
何も書かれていなかったとしても
表現すべき内容と言えるでしょう。
とうぜん、作曲家がダイナミクスで指示している場合もあります。
いろいろな作品を見ていても
変終止で最終和音のほうが強くなるように書かれているものは
非常に少ないの現状。
Ⅳ度和音の部分が
動きを伴って装飾されているケースもあるので
その都度、変終止になっていることを
きちんと見抜く必要があります。
もうひとつ例を見てみましょう。
ショパン「幻想曲 ヘ短調 Op.49」
譜例(PD作品、Finaleで作成、曲尾)
(広義の)変終止で力強く終わる例。
強奏だからといって
すべての和音を力いっぱい弾くのではなく
最終和音のほうを
ほんの気持ちだけ加減すると
ただの音響のカタマリになることなく
音楽的な締めくくりになります。
ff というのは
あくまで「 ff の領域」という意味なので
その中で多少のニュアンスをつけるのは
まったく問題なく
作曲家の意志を無視していることにはなりません。
ひとつのダイナミクス領域の中で
音楽がどこへ向かってどのように進み
どこでおさまるのかを
必ず考えるようにしましょう。
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