多くのグリッサンドというのは、
足りないハーモニーを埋めるためではなく
リズムを出すためでもなく、
一種の「効果音(エフェクト)」の役割として使われます。
エフェクトとしてのグリッサンドが
黒鍵と白鍵の両方に同時に出てくる作品というものが
いくつかあります。
いちばん有名な作品は、以下のもの。
ドビュッシー「前奏曲集 第2集 より 花火」
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、87小節目)
低音のA音が響いている中で
ペダルを踏みながら
ff からデクレッシェンドする
ペダルを踏みながら
ff からデクレッシェンドする
という文脈の中で
2種のグリッサンドが宙を舞います。
オーケストラでいう
2台ハープのようなイメージですね。
表現的にも歴史的にも
把握しておくべきサウンドなので、
まだこの作品を弾く予定のない方も
必ず知っておくようにしましょう。
このような表現を意識的に聴くときのポイントは、
上記のように
「どのような文脈の中でそれが使われているのか」
というのを意識しながら聴くことです。
グリッサンドひとつとってみても
文脈によって表現がまったく変わりますので。
「ピティナ ピアノチャンネル PTNA」に公式で参考演奏がアップされています。
◉ ドビュッシー/前奏曲集第2巻 12.花火/演奏:園田高弘
ドビュッシー/前奏曲集第2巻 12.花火/演奏:園田高弘
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