「シャンドール ピアノ教本 身体・音・表現」 著 : ジョルジ・シャンドール 監訳 : 岡田 暁生 他 訳5名 / 春秋社
という書籍に
以下のような文章があります。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第21番 ハ長調 op.53 ワルトシュタイン 第1楽章」
譜例(PD作品、Sibeliusで作成、288-295小節)
(以下、抜粋)
この三つのフェルマータは異なる役割を持っており、最後のものが最も長くなるのは明らかである。
(抜粋終わり)
この三つのフェルマータは異なる役割を持っており、最後のものが最も長くなるのは明らかである。
(抜粋終わり)
具体的な理由は書かれていませんが、
同書の別の項目にヒントがあります。
(以下、抜粋)
フレーズの中ほどにあるリタルダンドは、
フレーズ終わりにあるリタルダンドよりも控えめにするべきなのだ。
(抜粋終わり)
フレーズの中ほどにあるリタルダンドは、
フレーズ終わりにあるリタルダンドよりも控えめにするべきなのだ。
(抜粋終わり)
(再掲)
このリタルダンドの考え方と共通した部分があります。
つまり、
フェルマータごとに
ひとつひとつひとつと構成を考えるのではなく
譜例の a tempo までの全体を大きくひとつのカタマリと捉える。
途中にあるフェルマータは
あくまで大きく見た場合のフレーズ中の出来事です。
譜例のようにフェルマータが何度か出てくる場合、
いちばん長いそれをどこにもってくるのかなど
そのやり方に差をつけることは
「構成を示すこと」とも言えますね。
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