一部のジャンルは除き、
多くのピアノ音楽では
作曲家の残した楽譜があり
それをいかに表現するかという再現芸術の側面があります。
改めて意識して欲しいのは、
当たり前のことですが
「同じようなことをいかに異なるように伝えるか」
という視点です。
楽譜から何を読み取るかで
同じ楽譜を使ってもまったく別の音楽が出てきます。
筆者は、自分の作品をピアニストに弾いてもらうと
たいてい良い意味で
自分が生み出した音楽の違う側面を見せてもらったような体験ができます。
昔は、楽譜に書き表す力の不足のせいだと思っていたのですが、
作曲や編曲の技術が上がっても
結局は、楽譜というものの不完全さと
演奏家の解釈が入る良さを感じることには
変わりはありませんでした。
まずは基本的な譜読みをきちんとするということは前提ですが、
そのうえで
「ある側面では、いかにこれまでと異なるように伝えるか」
というのを考えるべき。
加えて、
特定の作曲家の作品が
その作曲家の別の作品とどのように関わり合っているか、
「作曲家は、同じようなことを別の作品でどのように異なるように伝えているのか」
という視点もあわせもっていてください。
このWebメディアの記事もそうです。
筆者の中に伝えたいことがあり
それが重要なことであればあるほど
手を変え品を変え何度も記事化しています。
したがって、
提示する具体的な譜例や筆者の体験談の内容などが異なるだけで
言いたいことの方向性は同様の記事というのは
いくつもあるんです。
これも、
「同じようなことをいかに異なるように伝えるか」
ということのうちですね。
繰り返しますが、
「音源のように弾く」
というだけでなく、
「同じようなことをいかに異なるように伝えるか」
という視点をもって
自分なりの演奏というものを目指してみましょう。
それが少々見当外れでもいいんです。
何も挑戦せずに
同じようなことを同じように語っているだけに比べたら
ずっとクリエイティヴなので。
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