一部の現代曲で作曲家が指示しているような場合を除き、
原則、大きな音を出そうとして鍵盤を叩くことは
マイナスでしかありません。
衝突の反発で力の多くがなくなってしまったり、
響きが散らばってしまい
美しい音が出ないというのはとうぜんですが、
もっとそれ以前の根本的理由があります。
叩くと、指が鍵盤に強くぶつかることによる騒音や
鍵盤が鍵床へぶつかる、より大きな騒音がたつからです。
普段ピアノを弾いていると、
こういった騒音・雑音は
ピアノの音にごまかされて気付きにくいのですが、
実際、相当大きな音がたっている。
楽器演奏不可物件でヘッドフォンを使って練習していたら
楽器自体の音は漏れていないのに
演奏時の物音がうるさくて苦情になった、
という話をよく耳にしますね。
普通に弾いていてもそうなのですから
叩くクセがある演奏者の場合、
その騒音のすごさは計り知れません。
叩いたときの
指が鍵盤にぶつかる音は
ステージ上で聴くと顕著。
たとえピアノの音がフォルテで鳴っていても
騒音が聴こえてきますし、
その騒音が
ピアノの音自体にも
少なからず悪影響を与えています。
もうひとつ、
叩くときはたいてい高くから打鍵することになるので
純粋に、音を外しやすくなる。
だからこそ、
大きな音を出したいときであっても
鍵盤の近くから「重さ」を使って打鍵することで
高さがなくても重厚な音を出せるようにするテクニックが
求められるわけです。
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