同音連打については初歩学習の段階で
「321321…と指を変えること」
と習うケースが多いようです。
基本としてはOK。
一方、他の選択肢もあるということは踏まえておきましょう。
楽曲にもよりますが、
筆者がよく使うのは「212121…」という、
3の指を使わない方法。
具体的に譜例を見てみましょう。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第23番 熱情 ヘ短調 op.57 第1楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、24小節目)
左手に出てくる同音連打の箇所に
2パターンの運指を書き入れてみました。
上に書き込んだ運指(212121…)と
下に書き込んだ運指(321321…)は
どちらでも成立します。
しかし、弾きやすさは演奏者によって様々。
両方試してみて
自身にとって安定して演奏できるほうを選ぶべき。
筆者は「212121…」で弾くようにしています。
さらには、
「2の指のみ」または「3の指のみ」
という方法で
同音連打して演奏するピアニストもいます。
これらはまったく指を変えずに同音連打する方法。
ラヴェル「スカルボ」など
「超高速の同音連打」では
指を変えるとたいへん弾きにくく
まったく指を変えずに同音連打した方が
うまくいくケースがあります。
さて、今回伝えたいことは、
「同音連打における指遣いは1パターンだけではない」
ということ。
初歩学習の段階で
「同音連打では321321…と指を変えて」
などと教えられたことがきっかけで、
どんなところで出てくる、どんな速さの同音連打でも
「321321…」の運指で弾いてしまう方は
いるのではないでしょうか。
慣れるまでは難しいかもしれませんが、
「同音連打では、いつも321321…」
などと決めてかからず、
いくつかのパターンを試してみて
その箇所で最も弾きやすい運指を決定していくことが
望ましいと言えるでしょう。
そのためにも、
まずは、以下の4パターンを覚えておきましょう。
「212121…」
「222222…」
「333333…」
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