具体例を見てみましょう。
楽曲が変わっても考え方は応用できます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、25-32小節)
譜例では途中から pp になりますが、
このようなダイナミクスが下がるところで
テンポまで下げてしまっているケースがあるので
ぜひ気をつけたいところ。
テンポは変わらないのにダイナミクスがストンと落ちるところに
美しさがあります。
とうぜん、楽曲によっては
多少テンポも下げたほうがいい場合もゼロではありませんが、
原則としては下げないと思っておいてください。
まず、下がっていることに気付いていない状況だけは
避けなければいけません。
加えて、
ダイナミクスを徐々に下げていくところでも
テンポには注意が必要。
知識的な面でも、
ダイナミクスとテンポとの関係について
知っておくべきことがあります。
例えば、譜例で取り上げた
モーツァルト「ピアノソナタ K.310」の場合、
calando が
第1楽章に2回のみ、第2楽章に1回のみ出てきますが、
モーツァルトの時代の calando は、
テンポは下げずにダイナミクスのみ下げていく
テンポは下げずにダイナミクスのみ下げていく
というのが有力であると音楽学で言われています。
いずれにしても、
ダイナミクスとテンポとの関係は
油断すると “何となくで” 連動してしまうので、
ほんとうにそれが適切なのかを
考えてみるようにしましょう。
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