ベートーヴェン「ピアノソナタ第23番 熱情」
における第2楽章と第3楽章のつなぎのように
「楽曲の成り立ちとして、attaccaになっている作品」
があります。
この作品の場合、わざわざ楽譜に「attacca」と書かれていますよね。
一方、
attaccaではない作品をつなぐ場合は
どのようなやり方が考えられるでしょうか。
■組曲間や楽章間のつなぎ方も聴かせどころ
♬ 解釈としてのattaccaにする方法
楽曲の成り立ちとしてはattaccaになっていなくても
すぐに次の楽曲へ入るやり方があります。
ピアニストがよくやっている例としては、
◉ シューマン「謝肉祭 16.ドイツ風ワルツ」から、間髪入れずに「間奏曲(パガニーニ)」へ突入する
などが、挙げられます。
有名なオーケストラ作品でも、
ドヴォルザーク「交響曲第9番 新世界より」で
第3楽章と第4楽章を
“解釈として” attaccaで演奏する指揮者は多くいます。
これらのような「解釈としてのattacca」は
聴衆の予想を裏切るために
大きな「心理的効果」を期待できます。
後続楽曲の入りが強調され、「意外性」のある演出に。
♬ やや長めに曲間をとる方法
やや長めに曲間をとることで、
曲想が大きく異なる楽曲や楽章同士を
対比的につなぐことができます。
attaccaとは別の意味での対比効果がだせますね。
しかし、
曲間というのは
あくまで「つなぎ」です。
あまりにも長い時間をとってしまうと
段落感がつきすぎてしますし、
聴衆の緊張感も薄れてしまいます。
そういった意味では、それなりの注意が必要です。
♬ 通常の長さの曲間としてつなぐ
「通常の長さ」
というのは、
「特に何も意識せずに後続楽曲を弾き始めるときにとるであろう曲間の長さ」
のこと。
つまり、多くの演奏はこれに該当することになります。
無難ですが、基本はコレでOKです。
一方、
上記の2つよりも
言ってみれば「つまらない」ので、
解釈上「ヨシ」と思えば
上記の別案に積極的に挑戦してみてもいいでしょう。
結局のところ、
これらのような解釈は自身で選択するしかありません。
そのためには、
「何となくattaccaにしてみよう」
ではなく
「次の曲の強烈な入りを印象付けたいから、attaccaで入ろう」
などと、
表現したいことを軸に考えるようにしましょう。
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