「ピアノ奏法の基礎」著 : ジョセフ・レヴィーン 訳 : 中村菊子 / 全音楽譜出版社
という書籍の中に、
以下のような解説があります。
(以下、抜粋)
リスト「パガニーニ大練習曲集 第3曲 ラ・カンパネラ S.141 R.3b」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、126-127小節)
もし君が、
譜例のリストの《カンパネラ》のパッセージのような
きらびやかな立った音を必要とする場合は、
当然、手くびに力を入れ、指を立ててひくことは許されるばかりではなく、
絶対に必要となる。
シューマン「パピヨン 第12番 Op.2 ニ長調」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
また、シューマンの《パピヨン》の終曲の始めのフレーズは、
特に管楽器の音をまねて作曲してあるので、
そのような場合も、
固い手くびと、立った指でひかなければならない。
(抜粋終わり)
このような奏法を適切に取り入れられる例を
もうひとつ見てみましょう。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、16-20小節)
上段で連打されるメロディG音を見てください。
オクターブによる3連打が
金管楽器を思わせるファンファーレ的な音づかいですね。
丸印で示した小節頭のG音は
単音になっています。
作曲の視点から見ると、
この単音は
16分音符の直後に演奏するからオクターブにしていないという
指の都合によるのではなく、
音楽そのものの要求ととらえていいでしょう。
つまり、
カギマークで示したように
単音のG音と、その後に出てくるオクターブのG音は
音楽的に別のものと分析するのが一案。
(再掲)
オクターブの固い響きの部分のみが
ファンファーレだと考えてみましょう。
上記、レヴィーンの解説にもあるように
手首をしっかりさせたうえで
指を立てて弾くと
ファンファーレ部分の音色を
ガラッと変えることができます。
きっぱりと言い切ったようなイメージで
音楽をまとめてください。
この作品に限らず
似たような場面が出てきたときには
本記事のことを思い出してほしいと思います。
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