具体例を見てみましょう。
ベートーヴェン「ピアノソナタ 第17番 テンペスト 第2楽章 Op.31-2」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、17-19小節)
この譜例の箇所を
弾くなり聴くなりしてみてください。
Adagioですし、ダイナミクスも p ですが、
非常に躍動感を感じませんか。
理由は、太鼓連打を思わせる下段の音にあります。
感覚的なものではありますが、
弱奏による太鼓のフレーズというのは
非常に期待感・躍動感を感じさせますね。
ラヴェルが作曲した有名なオーケストラ作品「ボレロ」
を思い出してみましょう。
弱奏から最後のクライマックスまで
少しづつ少しづつ盛り上げていくわけですが、
その背景では
静かな場面から「小太鼓(スネアドラム)」がリズムをつくっています。
この音楽を聴くと
ふつふつと活力がわいてくるという方も
多いのではないでしょうか。
太鼓を模したであろう場面は
上記のベートーヴェン作品のように
ピアノ音楽でもときどき見受けられます。
さまざまな楽曲を良く調べてみましょう。
最後に、
躍動を感じさせる例ではありませんが
太鼓の弱奏を模したであろう一面が見られるピアノ作品を
ひとつ挙げておきます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲尾)
最後に出てくる低音の32分音符が
ティンパニを思わせますね。
一部、ティンパニが出せる低音域を超えていますが、
それはピアノで表現しているからです。
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