具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第22番 BWV 867 ロ短調 より フーガ」
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、32-33小節)
32小節目において
“現行の” ヘンレ版などいくつかの版では
譜例で示したように2の指を連続させる運指が
指示されています。
2の指に限りませんが、
同じ指の連続というのは
表情をつくりだすことに長けています。
J.S.バッハの8分音符は
レガートで弾く解釈と
ノンレガートで弾く解釈の両方があります。
レガートにするのであれば、
譜例のところのように
「黒鍵→白鍵」であることを活かして
指を滑らせるように弾くことで、
ニュルっとした滑らかなラインをつくり出すことが可能。
ノンレガートにするのであれば、
これまた、同じ指を使うことの良さが活きる。
同じ指を連続することで
むしろ、音色などのニュアンスをそろえやすいからです。
同じ指の連続というのは
必ずしも、音型に対して指が足りないからとられる苦肉の策というわけではありません。
表現の味方だということを前提として
書かれている運指を捉えていきましょう。
そして、慣れてきたら
運指付けをするときに取り入れてもいいんです。
ショパンは、
自身の作品の中で
4の指の連続をたびたび指示したことで知られています。
「ショパンのピアニスム その演奏美学をさぐる」 著 : 加藤 一郎 / 音楽之友社
という書籍では
その表現について迫っているので
あわせて参考にしてください。
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