ダンパーペダルの使い方には
さまざまなものがありますが、
弾き直し、つまり同音連打をサポートするペダリングも
非常に重要になってきます。
本記事では、
「テンポがゆるやかな楽曲における、メロディに出てくる同音連打」
を例に、
どうペダル付けするのかについて解説していきます。
以下の譜例を見てください。
譜例(Sibeliusで作成)
この譜例のような場面におけるペダル付けのポイントは、
以下の4点となります。
◉ テンポによる音響の濁り方の違い
◉ 細かすぎるペダル変更の影響
◉ ペダルの有無による音色の違い
まず、「ペダリング(A)」について。
小節の頭から踏み始めて一度も踏みかえないやり方ですが、
このペダリングの問題点は
小節頭に出てくる非和声音A音と直後の和声音G音が
同じペダルで拾われてしまうことで
濁ってしまうこと。
テンポが速ければ
少々の濁りは気にならないこともありますが、
この譜例のようなゆるやかなテンポでは気になります。
また、音がたくさん動いているような場面では
いちいちペダルを踏みかえ切れないので
少々濁っても仕方がないとするケースもありますが、
この譜例のところでは
2〜4拍目は音を伸ばしているだけであり
濁っているのが丸見え丸聴こえなので
ペダルに考慮しないわけにはいきません。
(再掲)
次に、「ペダリング(B)」について。
これはひとつのペダリング候補になり得ます。
「ペダリング(A)」で問題となった濁りも発生しませんし
2回鳴らされるG音の同音連打も
ペダルでサポートされているので
メロディ全体にかかっているスラーも守られています。
ピアノという楽器はその構造上、
鍵盤をある程度のところまで上げないと
再打鍵しても音が鳴らないので、
同音連打で完全に音響をつなげたい場合は
ペダルを用いないとムリだということを
認識していなければいけません。
何の問題もなさそうなペダリングですが、
強いて言うのであれば、
ペダルを細かく踏みかえないといけないので
気を付けないと
音楽の流れがギクシャクしてしまう可能性があるということが懸念点です。
(再掲)
次に、「ペダリング(C)」について。
これもひとつのペダリング候補になり得ます。
G音の同音連打を
ひとつのペダルの中へ入れてしまうので
「ペダリング(B)」で懸念点だった
細かくペダル変更することによる流れへの影響も生じません。
(再掲)
最後に、「ペダリング(D)」について。
これもひとつのペダリング候補になり得ます。
いっそのこと、最初のA音のところではペダルを外してしまうやり方。
「ペダルの有無による音色の違い」というものはあるので
最初のA音の部分がノンペダルのドライな音になってもいいのかを
考えなくてはいけません。
譜例は1小節ぶんをピンポイントでしか掲載していませんが、
実際の楽曲では
前後関係というものがあるので
それらのサウンドと照らし合わせながら
ノンペダルのドライな音が不自然でないかを考えて
決めればいいでしょう。
(再掲)
A〜Dまでのすべてのペダリングについて見てきましたが、
候補になり得るのはB、C、Dのいずれかでしょう。
上記のようにそれぞれの特徴や懸念点はあるので
前後関係や自身の表現したい内容を考慮したうえで
どう踏むのかを決定することになります。
ペダル付けについて参考になったでしょうか。
楽曲の数だけペダリングの可能性はありますので、
本記事で取り上げたようなことをもとに
応用させながら
自身が取り組む楽曲へ活かしてみてください。
ペダリングについて徹底的に細かく学びたい場合には
以下の書籍が参考になります。
ピアノ・ペダルの技法(ジョーゼフ・バノウェツ 著/岡本秩典 訳 音楽之友社)
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豊富な譜例をもとに
ありとあらゆるペダル表現の可能性について
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ペダルの歴史に始まり、
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