音楽雑誌などを見ていると、
「ピアノ経験者にきいた、人気ピアノ曲ランキング」
などが目に入ってくることも。
並んでいる楽曲の内容には納得できますし、
たいてい筆者が好きな作品も並んでいます。
一方、
「ただただ美しい作品」
「ただただカッコいい作品」
こういったものばかりがランキングしているので、
それだけが音楽の良さではないのになあ、
などと思うこともあります。
例えば、
プーランク「15の即興曲」
を聴いたことはありますか。
15曲それぞれ、
基本的には「美しさ」や「かっこよさ」が表現されていますが、
不意に
「えっ?何で?」
「何、今の?」
と思うような意外さ、
いってみれば「サプライズ」が挟み込まれてきて
とても面白い作品群なんです。
良い意味での「裏切り」ですね。
これはプーランクの特徴のひとつでもあるのですが、
「15の即興曲」では特に
遊び心を感じます。
サプライズばかりでは
おもちゃ箱のようで逆につまらないのですが、
この作品では
正統さと裏切りのバランスが絶妙。
いちばん “まともな” 第15曲、
「エディット・ピアフを讃えて」が、
全15曲の中でいちばんよく知られています。
他の14曲も含めて
現在の知名度的に
人気ピアノ曲ランキングにあがることは
ほとんどありません。
しかし、
ピアノ学習者には
こういった作品を通して
「美しい、かっこいいだけではない音楽の魅力」
を自分の引き出しの中に
どんどん取り込んでほしいと思います。
Gabriele Tomasello 公式チャンネルに
プーランク「15の即興曲」の音源が
アップロードされています。
【音源】Poulenc – 15 Improvisations pour piano [Tomasello, 2008]
【楽譜】日本語ライセンス版 プーランク 「ピアノ作品集 第1巻 15の即興曲集」
Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV
X(Twitter)
https://twitter.com/notekind_piano
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg
筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、
数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。
コメント