ペダリングというのは
ほんとうに奥が深く、
その用い方によって
音楽の意味合いがまったく変わります。
ただし、
「このように踏む」
というようにやり方を決めないと
先へは進めませんね。
ここで問題になるのは
「決める前に、いろいろと試しているか」
ということ。
例えば、
分散和音を見るや否や
必ずダンパーペダルを踏みっぱなしにするケースが
見受けられます。
しかし、楽曲によっては
ノンペダルのときの
和音化されていないドライなサウンドを
対比としてうまく取り入れることが
できるかもしれません。
また、特に下行型では
分散和音に含まれるメロディ要素が
ペダルによって不明瞭になってしまうこともあります。
高い音がペダルで伸びっぱなしになるからです。
要するに、
もっともやりやすく
もっとも真っ先に頭に浮かんだペダリングで
すべてを済まそうとするべきではないということ。
ここまで極端にサボっている方は少ないかもしれませんが、
いずれにしても
「”これでいいかな” と思ってから、もう少し頭をひねってみる」
くらいの貪欲さで
いろいろな可能性を試してみてから
「これでいく」というのを決めてください。
試してみることをしないペダラー(=ペダルを踏む人)
にはならないように注意しながら
譜読みを進めていきましょう。
試すべきあらゆる手を教えてくれる参考書籍を
一冊挙げておきます。
ピアノ・ペダルの技法(ジョーゼフ・バノウェツ 著/岡本秩典 訳 音楽之友社)
ペダルに関しての圧倒的な情報量が得られる良書。
340ページ以上にわたって
豊富な譜例をもとに
ありとあらゆるペダル表現の可能性について
解説されています。
ペダルの歴史に始まり、
3本のペダルそれぞれの技術、
実際の活用例など。
著者、ジョーゼフ・バノウェツのこだわりと音楽観が
ていねいにまとめられた一冊。
Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV
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