【ピアノ】「テンポをゆるめず、一気に弾いてほしい」というサイン

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テンポをゆるめるところと
ゆるめるべきではないところは
どうやって見分ければいいのでしょうか。
ヒントはいろいろありますが、
本記事では2つの例を紹介します。

 

■「テンポをゆるめず、一気に弾いてほしい」というサイン

♬ 例1「休符 & クレッシェンド」によるサイン

 

具体例を挙げます。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ショパン「ピアノソナタ第3番 ロ短調 作品58 第1楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、19小節目)

ここでは

登り切るまでノンストップでかけ上がるべきです。

理由は以下の2つ。

① かけ上がりの直後に32分休符があり、エネルギーの解放箇所が意図的だから
② クレッシェンドが書かれており、音楽の方向性が明らかだから

かけ上がり直後の休符は

「そこでエネルギーが解放される」という意味であり

逆に言うと、

「そこまではノンストップで突っ切ってほしい」

というメッセージです。

(これ、すんごく大事!)

さらに、

クレッシェンドにより

音楽の方向性まで明らかにされているため、

かけ上がりの際にテンポをゆるめるべきではないのは明らかです。

 

♬ 例2「連符 & フェルマータ」によるサイン

 

ベートーヴェン「ピアノソナタ第8番 悲愴 ハ短調 op.13 第1楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、10小節目)

この下降クロマティックスケールは、

タメたりrit.したりせずに「一気に」フェルマータの音まで流れ込んでください。

理由は以下の2つ。

①「6連符」「7連符」「128分音符」と音価を細かくしていっているから
② たどり着いた先に「停止」という意味のあるフェルマータが付いているから

 

つまり、

ここでの連符は

「速くしていく」というよりも、

rit.をしないで下さい」という意図だと考えられます。

だからこそ、たどり着いた先に

「停止」という意味のあるフェルマータが付いているのですね。

 


 

今回は2つの例を挙げました。

なぜ、

今回解説したような

楽譜の読解力を鍛えるべきなのかというと

楽曲が変わっても応用できる力を養うためです。

 

例えば、

「ここではテンポをゆるめる」

「ここではテンポをゆるめない」

ということを

すべて勘を頼りにやっていたのでは

本質を学んでいることにはなりません。

楽曲が変わると

たちまち対応できなくなってしまう。

 

しかし、

本記事で学んだように

エネルギーの流れから楽譜を読み取れば

「普通に弾けば、結局そうなる」

という原則をおさえられるので

楽曲が変わっても応用できるのです。

 


 

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