【ピアノ】たとえテクニック的にまだでも、ピアノに対して大きな自信をもつ方法

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本記事では、
難しい作品をバリバリ弾けるようになることとは別の観点から
大きな自信をもてるようになる方法を
解説しています。

 

ピアノをやっていると

難しい作品を上手く弾けることがいちばん大事なことのように

思ってしまいがちです。

小学生が驚くような難曲を驚くようなスピードで弾いている動画などを観たりすると

余計にその気持ちに拍車がかかってしまうのではないでしょうか。

 

しかしですね、

たとえいま現時点がどんな状態であっても

自分の意欲次第で

ピアノというものに大きな自信をもてるようになる方法があります。

それは非常にシンプルで、

「とりあえず、何かの分野を全曲譜読みする」

というやり方。

 

初級~初中級の方であれば

まずは、J.S.バッハ「2声のインヴェンション」全曲

などでもいいですね。

習いに行っている方は

教室でやっている取り組みとは別の作品を使って

自主的にやってみましょう。

 

学習がもっと進んでいる方であれば

曲数や規模を増やしてもいいでしょう。

例えば、

◉ J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集」全曲
◉ ベートーヴェン 「初期のピアノソナタ」全曲

◉ ドビュッシー「前奏曲集」全曲

など。

自分が興味のある分野をひとつがっつりとつかんで

全曲譜読みをしてみる。

 

これをやるときには

必ずしもそれらすべてを

プロのように上手に弾けることを目指さなくても構いません。

譜読みしておおむね弾けるようにすることで

それまで聴いていただけでは分からなかった要素が山ほど見えてきますし、

「ある分野を全曲譜読みした」という事実を手にすることで

大きな自信になるんです。

 

これに関する筆者自身の取り組みとしては、

大学院生のときに

シェーンベルク、ベルク、ウェーベルン、武満徹、

この4名のピアノ曲全曲を譜読みしたこと。

ひとりあたりのピアノ曲の数は少ないのですが、

4名全員ぶんとなると

それなりの時間が必要になったのを覚えています。

ピアノに関する自信がついたのはもちろん、

作曲科だったので

作曲の勉強に関する収穫になったことも大きかったです。

 

もともと筆者が大学院生のときに習っていたピアノの先生が

「学生の早い時期にショパンのピアノ曲全曲を譜読みした」

と発言していたのを耳にして

やってみようと思ったんです。

 

「ネイガウスのピアノ講義 そして回想の名教授」著 : エレーナ・リヒテル  訳 : 森松 皓子 / 音楽之友社

という書籍にも

以下のような記述があります。

(以下、抜粋)
20歳を越えたばかりで次のような作品全てを弾き、
全てを暗譜していましたーそれは、ベートーヴェンのソナタ全曲、
シューマン、ショパンの作品全曲、ほとんど全てのバッハの作品でした。
それに当時はまだコンサートで決して弾いたことのなかった、
名人芸を要求するリストの作品全てをさえ、暗譜していました。
私は、建物をその上に築くための巨大な土台を準備しました。

(抜粋終わり)

 

もちろんここまで本格的にやる必要はありませんが、

自分の意志で何かひとつの分野を選んで挑戦してみてください。

「ひとつの分野を網羅した」ということから、

難しい作品をバリバリ弾けるようになることとは別の観点で

大きな自信をもてるようになりますので。

 

◉ ネイガウスのピアノ講義 そして回想の名教授 著 : エレーナ・リヒテル  訳 : 森松 皓子 / 音楽之友社

 

 

 

 

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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