「究極のピアニストたち: 20~21世紀の名ピアニストの至芸と金言」音楽之友社
というムック本には、
さまざまな名ピアニストへの取材記事などが収録されています。
◉ 音楽のルーツ
◉ その他、有益な話
などについて
各々がていねいに語っており
たいへん読み応えのあるものとなっています。
その中に、
「マレイ・ペライア」による
有益な文章がありましたので、
少しだけ紹介させていただきます。
私は若いピアニストたちに
「バッハやベートーヴェンなどあらゆる作品を手がける前に、
まず対位法をよく理解しなさい。
不協和音や通奏低音、装飾音について知りなさい、
そうすれば音楽に触れる手がかりを失うことは決してないから」
とよくアドバイスします。
(抜粋終わり)
主に専門を目指す若者へ向けたものでしょう。
しかしこれは、
どんな学習者に対しても金言と言えるものです。
このブログでも以前より書いていますが、
「音楽に感覚は大事だけれども、あまりにも感覚に頼りすぎてはいないか」
という視点を今一度思い返して頂けたらと思います。
もっとも急速に「何となく弾ける」という段階に達するためには
いますぐピアノへ向かっていくのが
手っ取り早いでしょう。
しかし、少なくとも
「その楽曲に出てくる要素のうち、理解できていない項目」
については
深く理解しておく必要があります。
装飾音を例にとります。
例えば、
その楽曲に「プラルトリラー」が出てくるのであれば
「プラルトリラー」「モルデント」「トリル」
などの各種装飾音はどこがどう違うのかを
しっかりと整理しておく。
こういったことをせずに感覚で装飾音を入れていると
必ず、ゆきづまりがきます。
「練習を積み重ねる」というのは、
「何となく弾ける曲を何となく増やしていくこと」ではありません。
「周辺知識も身につけながら音楽を理解していくこと」です。
マレイ・ペライアによる金言、
ぜったいに忘れないでください。
◉ 究極のピアニストたち: 20~21世紀の名ピアニストの至芸と金言 音楽之友社
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