弾きたくてたまらなかった作品の楽譜を手に入れて、
はじめの1音を鳴らしたときの感動は忘れられません。
その瞬間、素晴らしい作品に一歩近付けたような気がして、心が躍ります。
筆者にもそのような作品はいくつかあります。
自分自身が純粋にその音楽に心惹かれて
少しずつ紐解いていく楽しさと喜びは
何にも代えられないものですね。
一つ一つの音符が語りかけてくるかのように
作曲家の意図を探り
その音楽の世界に没頭する時間は、
かけがえのないひとときです。
しかし、
もしその作品を
大きな本番やコンクールなどで演奏すると決まったらどうでしょうか。
「こう弾くべき」「こう弾いたほうがいい」
などという対策にばかり意識が向いてしまうという話をよく耳にします。
場合によっては、先生から
「お願いだから、本番が終わるまではこう弾いてくれ」
などと言われるケースもあるようです。
その結果、作品への理解が深まるのであれば問題ありませんが、
少なくとも、
純粋に音楽を探求する気持ちだけは
あっちへやってしまわないように
気を付けなければいけません。
大きな本番やコンクールで弾く場合でも、
純粋に音楽を探求し続けられる学習者はいます。
一方、それらのような目先の目標が決まった途端、
自分自身が純粋にその音楽に心惹かれたときのことを忘れてしまうのは
本末転倒です。
昔の筆者が、その状態になっていました。
作品を少しずつ紐解いているときというのは、
ある意味、自分自身がその作品に最も近い存在。
その親密な関係を大切にし、
たとえ人前で演奏することになっても
その作品といちばん近くにいるのは
自分自身であり続けるようにすることが重要です。
どんな状況でも
練習する目的はそのままにしておく。
練習する目的は音楽の本質を探求することだと
心に留めておきましょう。
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