フォルテというのはフォルテ領域、
ピアノというのはピアノ領域という意味。
つまり、その中で
ある程度ニュアンスをつける必要があります。
フォルテと書いてあるからといって
すべての音を同じ強さで弾くと音楽的でないのは
とうぜんのことですよね。
フォルテであれば、
領域全体を聴いたときに
フォルテのエネルギーが伝わってくればいいんです。
とは言ったものの、
具体的にどのようにニュアンスをつけていけばいいのか
迷う方もいると思うので、
ひとつ具体例を挙げて解説していきます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、5-7小節)
上の譜例Aが原曲で、
下の譜例Bがダイナミクスのニュアンス例。
以前にも取り上げたように、
モーツァルトの作品では
f や p の記号が多くを占めているので、
p は、豊かで歌うような mp から
きわめて弱い p までを意味するとされています。
p は通常の p 程度を意味していると考えて
譜例Bを見てください。
(再掲)
まず、点線で区切った部分までは
ファンファーレを思わせるので
ノンストップで f で弾き切ります。
問題はこの先。
原曲では p と書かれていますが、まずは mp で始めます。
そうすることで直後のため息音型での
デクレッシェンドが効いてきますので。
スラー終わりの音が大きくなってしまうと
尻餅をついたような印象になってしまうので
デクレッシェンドの松葉を表現しましょう。
6小節(譜例の、左から2番目の小節)の2拍目では
下段にもため息音型が出てきますが、
こちらは「追っかけ」なので
上段のため息音型よりも目立たないようにするべき。
したがって、
p から pp へデクレッシェンドします。
6小節2拍目では上段下段ともに p としましたが、
このようにダイナミクスをあわせると
弾くときに頭が混乱せずに済みます。
(再掲)
以降は同型反復なので
同様にダイナミクスニュアンスをつけていけばOK。
mp や pp が出てくるので
もはや p 領域ではないように感じるかもしれませんが、
もしやりすぎだと思ったら
mp と pp のダイナミクスの幅を
p へ寄せてみましょう。
理解しやすいように
具体的なダイナミクス記号を使っているわけです。
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