楽譜におけるルッキズムに対しては
以下の2つを重視してください。
◉ 真っ白だからって、油断しない
戦後の現代音楽以前の有名なピアノ作品でいうと、
ラフマニノフとかスクリャービンの楽譜って
たいてい、真っ黒ですね。
昔は、生意気ながらも
「こんなにいっぱい音を書いて、ほんとうに耳を使っているのだろうか」
などと思ったりしたこともありましたが、
学習が進むにつれて
そういった作品の良さもわかるようになりました。
彼らは優れたピアニストでもあったからか、
ときどき、一種の速弾き的要素も見えるような譜面を書きました。
音は多くても
奏者の視点が入っているので
弾きやすく仕上がっているものが多い。
真っ黒ながらも
分析してみると
意外とシンプルな要素に集約されているものが大半で
「真っ黒という理由だけでは、怖がる必要はない」
という印象です。
古典派ソナタなどの緩徐楽章が真っ黒なのも、
テンポがゆるやかだからこそ
たくさんの音が入るということ。
拍を整理したうえで
ていねいに譜読みをしさえすれば
まったく恐れる必要はありません。
飛躍しますが、
1998年に放送されたテレビドラマ「GTO」に
以下のようなセリフが出てきます。
登場人物である不良の男子学生へ
その母親が怒ったときに言ったセリフです。
楽譜に置き換えてみると、
「楽譜を見た目だけで判断すると、もったいない」
ですね。
とうぜん、楽譜の見た目からくる緊張感などは大事で
だからこそ作曲家のこだわりが見えるわけですが、
「真っ黒だからやめとこ」
みたいな安直な判断をするのは
もったいないと言えるでしょう。
反対に、真っ白だからって油断できません。
要するに、
真っ黒でも真っ白でも
「常に新鮮味をもって新しい作品へ向かおうとする姿勢が大事」
ということ。
やってみないと何もわからないので
やる前からルッキズムで
「待った」をかけたり、油断をしてはいけません。
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