♬ 買った楽譜に「オルゴール風アレンジ」って書かれているけど…
♬ オルゴール風って、演奏面ではどんなことに気をつければいいんだろう?
こういった戸惑いを解消します。
ポピュラーピアノの分野では
「オルゴール風アレンジ」
などと書かれた編曲ものがよく見られます。
クラシック作品でも
オルゴールをイメージさせる表現を持つ楽曲はでてきますよね。
作曲者や編曲者が
「音の使い方」として
オルゴール風にしてあったとしても、
演奏者が
「演奏の仕方」としても
その雰囲気を演出できるように
つとめなければなりません。
■「オルゴール風」楽曲の演奏ポイント 4選
♬ タッチの基本はノンレガート
オルゴールの雰囲気を出したい場合、
タッチの基本はノンレガート。
これは、
必ずしも「音を切る」という意味ではありません。
ダンパーペダルを使いながらも
指ではノンレガートで演奏することにより
「空間性のある音響」が得られますので
それを利用します。
「ペダルで音自体はつながっていてもレガートには聴こえない」
ということを
逆手にとった表現手段です。
指でもレガートにした
ベタっとしたサウンドは
オルゴール的なサウンドとはかけ離れています。
♬ アゴーギクはつけすぎずに淡々と
オルゴールという楽器は
その構造上、
余程凝った作りのものでない限り
淡々と鳴り刻んでいく構造になっています。
したがって、
あまりアゴーギクをつけすぎずに
淡々と弾き進めていったほうが
雰囲気として近いものになります。
♬ 強弱もつけすぎずに
加えて、
オルゴールでは
あまり強弱の幅をもたないものがほとんどです。
ピアノで演奏しているわけですから
多少はダイナミクスを意識してもいいでしょう。
しかし、あまり極端にやると
昔ながらのオルゴールの印象からは
離れてしまいます。
♬ 曲の最後の rit. はぜんまいが切れたかのように自然に…
もし楽曲の最後に rit. が書かれているのであれば、
「ぜんまいが切れたイメージをもってテンポをゆるめる」
このようにしましょう。
オルゴールによっても差はありますが、
ネジが切れて音が止まるときには
絶妙なテンポのゆるみを聴くことができますよね。
そういった意味では、
曲の最後以外の rit. はやりすぎずに。
オルゴールでは
基本的に周期の最後以外はテンポがゆるまないからです。
ここまで
いくつかの項目をお伝えしてきましたが、
忘れてはいけないのは
「演奏しているのはピアノである」
ということです。
オルゴールの雰囲気をだしたくても
すべてをそのままマネして演奏すると
楽曲の成り立ちによっては
つまらなくなってしまう可能性があります。
ですから、
今回の内容も
どんな楽曲を演奏するのかによって
一部分だけ取り入れるのみでOK。
要は、
引き出しをたくさん持っておいて
必要なときに必要なものだけ取り出す柔軟さが求められる
ということです。
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