「良い運指を使って、かつ、その運指を覚えている」
これが、速いパッセージをビャッ!と弾く条件です。
例えば、以下のパッセージで考えてみましょう。
ショパン「エチュード Op.25-7」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、52小節目)
上の譜例に記載したのは
コルトー版で紹介されている指遣いで、
下の譜例に記載したのは
初歩の教則本などでよく見られる
123の指しか使わずに半音階を弾く指遣いです。
123のみしか使わない運指と比べると、
コルトーが示したもののほうが
速く弾くことを目指せる良いフィンガリング。
しかし、このコルトーによるほうを弾いてみようとしても
はじめのうちは
なかなかうまく弾けないのではないでしょうか。
その理由は「運指の覚えにくさ」にあります。
少しでも間違えるとストップしてしまう。
では、
「123しか使わない覚えやすい運指で弾けばいいじゃないか」
ということになりそうですが、
その運指では一定以上の高速演奏をするのが困難。
5の指や4の指をとりいれたコルトーの運指のほうが
慣れれば断然スピードアップを目指せます。
という記事で書いたことが
ここでも当てはまるわけです。
平たく言うと、
「慣れればより速く弾けるほうの運指で、慣れるまで練習を重ねるのがベスト」
このような当たり前へ向かっていくべきということ。
本記事でいちばん言いたいのは
「運指を覚えることが学習をどれほど前進させるか」
という部分です。
「良い運指を使って、その運指を覚えている状態までもっていく」
これを学習課題のひとつとして
改めて意識してみてください。
Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV
X(Twitter)
https://twitter.com/notekind_piano
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg
筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、
数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。
コメント