クレッシェンドやデクレッシェンドといった
時間的なダイナミクス変化では、
「それをどのタイミングから表現し始めるのか」
ということについて
思っている以上にシビアに見なくてはいけません。
どうしてかというと、
その位置がズレるだけで
音楽の方向性がまるっきり別の方向を向いてしまうからです。
例えば、
すでに大きくならずに
後ろ寄りで表現すると
音楽的にまとまることが多い
というのは、非常に重要な観点ではあります。
しかし、クレッシェンドと書かれているところからしばらくのあいだ
まったく大きくしないのではなく、
「あくまでも、グワっとやるのは後ろへもっていく」
という意味です。
これを取り違えると
クレッシェンドがまさにその場所に書かれている意味を
変えてしまうことになります。
また、
上昇音型の途中からクレッシェンドが書かれている場合は
多々ありますが、
こういったときに
どうしても上昇音型全体で大きくしようとしてしまいがち。
しかし、開始点は書かれているところからです。
「こういう音型はこういう風に演奏するだろう」
という思い込みが強すぎると
開始点を勝手に変えてしまう誤りが出てきてしまいます。
筆者は学生の頃、
「書かれているダイナミクス変化をどこから始めるのか」
ということを非常に口酸っぱく注意されました。
そのためにも
勝手に楽譜の内容を変えていても無責任に野放しな
校訂者が誰かも分からない楽譜を使わないようにすることも
徹底させられました。
学習しやすくするために各種記号などが補足されている教材を
あえて使うのであれば、
できる限り、校訂者が誰か明示されているものを選ぶのがベターです。
特に、中級以降の学習では留意するようにしましょう。
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