具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
シューマン「ユーゲントアルバム(子どものためのアルバム)より 小さな練習曲 Op.68-14」
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、40-44小節)
41、43小節目に
小音符による左手パートが提案されています。
「付け加えて、大きな音符と両方弾く」
という意味ではなく、
「大きな音符かどちらかを弾く」
というossiaの意味。
さまざまな演奏を聴いていると
どちらの小節も小音符で弾いている演奏が多いように感じますが、
この辺りは解釈に幅があります。
(再掲)
例えば、
カギマークAで示したように
4小節ひとカタマリでとるのであれば
41小節目は
40小節目のクレッシェンドを活かして
深いバスが出てくる小音符のほうを、
43小節目は
42小節目のデクレッシェンドを活かして
音域が高いバスが出てくる大きな音符のほうを選ぶ、
などといったように
「組み合わせる」考え方もあります。
(再掲)
一方、
デクレッシェンドの付けられ方から判断すると
カギマークBで示したように
2小節ひとカタマリの同型反復になっていると考えることもできます。
そう解釈した場合は、
「大きな音符、大きな音符」
「小音符、小音符」
のように2回とも統一したほうが
同型反復している印象が強くなる。
カタマリの捉え方でさまざまな解釈ができる
というのを前提として、
その捉え方を考えることから始めてみてください。
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