【ピアノ】ダイナミクスとテンポを何となくで連動させない

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ダイナミクスとテンポとの関係は
油断すると “何となくで” 連動してしまうので、
ほんとうにそれが適切なのかを
考えてみるようにしましょう。

 

具体例を見てみましょう。

楽曲が変わっても考え方は応用できます。

 

モーツァルト「ピアノソナタ第8番 K.310 第3楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、25-32小節)

譜例では途中から pp になりますが、

このようなダイナミクスが下がるところで

テンポまで下げてしまっているケースがあるので

ぜひ気をつけたいところ。

テンポは変わらないのにダイナミクスがストンと落ちるところに

美しさがあります。

 

とうぜん、楽曲によっては

多少テンポも下げたほうがいい場合もゼロではありませんが、

原則としては下げないと思っておいてください。

まず、下がっていることに気付いていない状況だけは

避けなければいけません。

 

加えて、

ダイナミクスを徐々に下げていくところでも

テンポには注意が必要。

 

知識的な面でも、

ダイナミクスとテンポとの関係について

知っておくべきことがあります。

例えば、譜例で取り上げた

モーツァルト「ピアノソナタ K.310」の場合、

calando

第1楽章に2回のみ、第2楽章に1回のみ出てきますが、

モーツァルトの時代の calando は、
テンポは下げずにダイナミクスのみ下げていく

というのが有力であると音楽学で言われています。

 

いずれにしても、

ダイナミクスとテンポとの関係は

油断すると “何となくで” 連動してしまうので、

ほんとうにそれが適切なのかを

考えてみるようにしましょう。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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