テヌートでは、
「それがつけられた音符は次の音符とつなげるのか」
という問題が出てきますね。
スタッカートがつけられた音でさえ、
ある解釈のうえでは
ダンパーペダルで音をつなげることがあるくらいなので、
テヌートに関しても
細かなことを言えば
つなげることもそうでないこともあります。
しかし、原則としては
「次の音とのあいだにわずかな音響の切れ目を入れる」
と考えておいて構いません。
「紙一枚はさむイメージ」
と思うと分かりやすいでしょう。
弦楽器でいう「デタッシェ」がぴったりで、
「各音をやや強調しつつ、次の音と分離する」
というニュアンス。
強調するかどうかは
各場面によって判断する必要がありますが。
「シャンドール ピアノ教本 身体・音・表現」 著 : ジョルジ・シャンドール 監訳 : 岡田 暁生 他 訳5名 / 春秋社
という書籍に、以下のような記述があります。
テヌート記号がついた音が連続している場合、
レガートのとき程は音をつながない。
レガートでは、
上腕の動作およびダンパーを静かに下げることによって、
音をつなぐ。
それに対してテヌートの場合、
ダンパーは自由にストンと落下させる。
このことによって、
音と音の間にテヌート独特のわずかな切れ目を作り出す。
(抜粋終わり)
この文章から読み取ってほしいのは、
「各音の間の消え際は、割とバッサリいっている」
ということ。
「音の長さを保ち終えたら、バッサリ消す」
このニュアンスが
テヌートのイメージに近いものとなります。
ちなみに、
以前、トランペット奏者が
テヌートが連続するメロディに対して
「ダーダー吹きで演奏するメロディ」
などという言い方をしていました。
「レガート程つながなくも、各音の長さは保つ」
というイメージにぴったりな言葉ですね。
◉ シャンドール ピアノ教本 身体・音・表現 著 : ジョルジ・シャンドール 監訳 : 岡田 暁生 他 訳5名 / 春秋社
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