【ピアノ】ツェルニー30番が終わったら
► はじめに
ツェルニー30番の修了、これはピアノ学習における重要な節目であり、今後の学習方針を決める分岐点でもあります。多くの方がこの段階で「次に何をすればいいのか分からない」といった悩みを抱えています。
本記事では、次のステップ案について具体的に解説していきます。
► ツェルニー30番修了後の選択肢
‣ 1. ツェルニー40番を主軸にした学習
こんな方におすすめ:
・クラシックピアノの基礎を着実に身につけたい
・将来的に上級レベルの楽曲に挑戦したい
・体系的な学習を継続したい
・確実な技術向上を最優先したい
ツェルニー40番の特徴:
・適度な難易度設定:30番からの自然なステップアップが可能
・効率的な学習構成:1曲あたり2ページ〜で取り組みやすい
・技術の体系的習得:アルペジオ、スケール、跳躍など重要テクニックを網羅
・音楽的な充実感:特に後半の楽曲は演奏の楽しさを実感できる
具体的な学習プラン:
・まずは、最初の20曲修了を中間目標とする
・独学の場合は、2〜3曲を並行して練習
・1日最低20分〜のツェルニー練習時間を確保(1時間程度を推奨)
・テンポは段階的に上げて、最終的に指定速度の70%以上を目標
‣ 2. 好きな楽曲+基礎練習の併用(バランス型)
こんな方におすすめ:
・モチベーションを保ちながら技術向上したい
・発表会などで演奏する楽曲も並行して学びたい
・ジャンルにこだわらず幅広く学習したい
学習プラン例:
・ツェルニー40番を月2〜3曲のペースで進める
・同時に好きなクラシック曲やポピュラー曲を1曲学習
メリット:
・楽曲演奏でモチベーション維持
・接触できる楽曲の幅が広がる
・発表機会を作りやすい
‣ 3. 楽曲中心の学習スタイル(自由型)
こんな方におすすめ:
・練習曲よりも楽曲演奏を重視したい
・もうツェルニーは嫌だ
学習プラン例:
自由型としてどのような学習方法も可能です。しかし重要なのは、自由型であっても自分の引き出しを広げる視野を持つことです。選曲する楽曲に新たなチャレンジを入れてみたりと、常に変化を取り入れて、学習が四畳半にならないように気をつけましょう。
新たなチャレンジの例:
・アルベニスやグラナドスなどのお国柄が出るものに挑戦する
・シェーンベルクやウェーベルンなどの無調性作品に挑戦する
・ビル・エヴァンス(ジャズ)の完全コピーシリーズに挑戦する
► 進路診断
以下の質問に答えて、自身に合った進路を見つけましょう:
質問項目 | 1番コース | 2番コース | 3番コース |
---|---|---|---|
将来の目標 | 上級クラシック曲の演奏 | バランス良く様々な曲 | 好きな曲を自由に |
練習時間 | 毎日1時間以上確保可能 | 毎日30分〜1時間 | 不定期・短時間 |
学習スタイル | 体系的・段階的 | 実用的・多角的 | 自由・直感的 |
モチベーション | 技術向上が最優先 | 楽しさと向上の両立 | 楽しさ重視 |
► トラブルシューティング
‣ 挫折を防ぐ学習戦略
新しい番号へ取り組み始めた直後:
・荒削りであっても「その楽曲をとりあえず一通り読んだ」という事実をつくって、自分を安心させる
・「譜読みを録音する」「家族に、ピアノ部屋で読書していてもらう」など、自分へ緊張感を与える
譜読みが終わって以降
・「オンラインピアノコミュニティ」に類するものへ参加するなど、周りを巻き込む
・その楽曲を家族へ披露するなど、自分に良いプレッシャーをかける
段階 | 具体的な方策 | 期待される効果 |
---|---|---|
新曲開始直後 | • 全体を通して、一通り譜読みする • 練習を録音する • 他者の存在を活用 |
• 達成感の早期獲得 • 客観的な進捗確認 • 適度な緊張感の維持 |
練習過程 | • コミュニティへの参加 • 演奏機会の設定 |
• 外部からの刺激獲得 • 明確な目標設定 |
技術向上と継続のポイント
ツェルニーの練習曲には単純な反復音型が多い印象ですが、それはトレーニング的要素というのはリズミカルに実施することで習得が進むからでもあります。単調さを逆手に取り、テンポを上げて弾くことの楽しさを味わいながら学習を進めましょう。
‣ よくある質問と回答
Q:ツェルニー50番との違いは?
A:50番は曲が長く、難易度も高いため、40番修了後の選択肢だと思ってください。40番で基礎を固めてからの方が効率的です。
Q:毎日どのくらい練習すべき?
A:ツェルニーにかける時間は、1曲あたり1日最低20分~が理想的です。
Q: 他の教材との併用は可能ですか?
A: むしろ推奨します。J.S.バッハ「インベンションとシンフォニア」、「ソナタアルバム1」などを併用をすることで、多角的な学習が可能になります。
► おすすめの楽譜
ツェルニー40番のように、まだそれほどピアノ学習歴が長くない方が選ぶ楽譜の場合は、文章なども日本語で書かれている楽譜にするほうが学習に活かせます。
推奨楽譜:
ツェルニー40番練習曲 全音楽譜出版社
・詳細な運指指示が掲載
・日本語による解説が掲載
・価格も手頃で入手しやすい
► 終わりに
ツェルニー30番修了は、ピアノ学習における重要な通過点です。次のステップは、自身の目標と現在の状況に合わせて選択することが大切です。
もし迷ったら、まずはツェルニー40番の最初の10曲に挑戦してみてください。思ったより取り組みやすく、確実な技術向上を実感できるはずです。
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