【ピアノ】ツェルニー40番修了後の教材選択:ショパンエチュードへの効果的なアプローチ

スポンサーリンク
スポンサーリンク

【ピアノ】ツェルニー40番修了後の教材選択:ショパンエチュードへの効果的なアプローチ

► はじめに

 

ツェルニー40番を修了したピアノ学習者にとって、次のステップ選択は重要な分岐点となります。多くの方が「そろそろショパンのエチュードに挑戦したい」と考える一方で、技術的な不安も抱えていることでしょう。

本記事では、ツェルニー40番からショパンエチュードへの効果的な橋渡しとなる教材選択について、具体的な学習プランとともに詳しく解説します。

以前の記事【ピアノ】ソナチネ入門程度からショパンエチュード入門までのロードマップでは、J.S.バッハ「2声のインヴェンション」を一点集中学習し、約1年間でショパンエチュードへ接続する方法を紹介しました。今回は、より時間的余裕のある学習者に向けて、段階的なアプローチを中心に解説していきます。

 

► 2つの進路選択肢

 

ツェルニー40番修了後には、大きく分けて2つの選択肢があります。

 

‣ 選択肢1:直接ショパンエチュードへ

 

メリット:

・目標への最短ルート
・モチベーションの維持
・一部の楽曲(Op.10-9、Op.25-2 など)は技術的に取り組み可能

デメリット:

・技術的に困難な楽曲が多数存在
・挫折のリスクが高い

 

‣ 選択肢2:中間教材を経由

 

メリット:

・段階的な技術向上
・より確実な基礎固め
・幅広いレパートリーの習得(特にモシュコフスキーは演奏会用レパートリーにもなる)

デメリット:

・目標到達までの時間が長い
・教材選択の必要性が生じる

 

► なぜ、中間教材が推奨されるのか

 

先ほど言及した記事でも触れましたが、ショパンのエチュードには技術的に取り組みやすい楽曲(Op.10-9、Op.25-2など)も存在するため、直接挑戦することも可能です。しかし、十分な練習時間を確保でき、しっかりとした基礎固めを重視する学習者であれば、ツェルニー40番の後に中間教材を挟むことをおすすめします。

その理由は以下の通りです:

技術的ギャップの解消
ツェルニー40番とショパンエチュードの間には、技術的難易度差が存在します。この差を段階的に埋めることで、より確実な接続が可能となります。

音楽性と技術性のバランス
ツェルニー40番修了後に扱われる訓練的教材は、音楽性も併せ持っているものが多くあります。音楽性の高い訓練的教材を経ることで、純粋な技術練習から芸術的表現への自然な橋渡しができます。これにより、ショパンエチュードで求められる高度な表現技術により効果的に接続することができるでしょう。

 

► 推奨中間教材の詳細分析

‣ 最優先推奨:ツェルニー50番練習曲

 

推奨理由:

・ツェルニー40番からの自然な発展
・各練習曲の技術目標が明確
・ショパンエチュードで必要となる技術要素を広く含む

学習アプローチ:

・全50曲ではなく、まずは10曲程度を厳選
・自身の技術的課題に応じた選曲
・1曲あたり1週間程度での仕上げを目標

 

‣ 第二推奨:モシュコフスキー 15の練習曲 Op.72

 

推奨理由:

・訓練性と音楽性のバランスが優れている
・特にNo.6は演奏会用レパートリーとしても価値が高い

学習アプローチ:

・2-3曲を徹底的に仕上げる方針
・表現技術の向上にも重点を置く

 

‣ 補完的選択肢

 

クラーマー=ビューロー 60の練習曲

・内容はツェルニー50番よりもやや高度
・古典的なアプローチを好む学習者向け

その他のエチュード

・ケスラー、ラフマニノフ、ドビュッシーなどは、ショパンエチュード習得後の発展教材として位置づけ

 

► 具体的な学習プラン

 

1. 基本方針

・選んだ教材から、まずは2〜3曲を徹底的に仕上げる(ツェルニー50番の場合は10曲程度)
・その後、ショパンのエチュードに着手
・必要に応じて、追加の訓練的エチュードを併用

2. 選曲のポイント

・上記の教材は各練習曲の技術目標が明確なので、必ずそれを把握してから着手する
・自身の課題に合わせた選曲の徹底
・特にツェルニー50番は前半と後半の難易度差が大きいので、まずは前半部分から選曲する

 

► おすすめの楽譜

 

訓練目的の学習では、日本語解説付きの楽譜を選択することで、より効果的な学習が可能です。

 

推奨楽譜:全音ピアノライブラリー

・詳細な運指指示が掲載
・日本語による解説が掲載
・価格も手頃で入手しやすい

 

・ツェルニー50番練習曲 全音楽譜出版社

 

 

 

 

 

・モシュコフスキー 15の練習曲 全音楽譜出版社

 

 

 

 

 

► 終わりに

 

ツェルニー40番からショパンエチュードへの効果的な接続には、適切な中間教材の活用が鍵となります。特にツェルニー50番やモシュコフスキー Op.72は、技術と音楽性のバランスの取れた発展を可能にします。

各学習者の現在の技術レベル、利用可能な練習時間、最終的な目標を総合的に考慮し、自身に合った学習プランを構築してください。

 


 

► 関連コンテンツ

著者の電子書籍シリーズ
・徹底分析シリーズ(楽曲構造・音楽理論)
Amazon著者ページはこちら

YouTubeチャンネル
・Piano Poetry(オリジナルピアノ曲配信)
チャンネルはこちら

SNS/問い合わせ
X(Twitter)はこちら

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました