【ピアノ】独学者のためのエチュードの選び方:効率的な上達とレパートリー形成のために

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【ピアノ】独学者のためのエチュードの選び方:効率的な上達とレパートリー形成のために

► はじめに

 

選曲の悩みは、独学でピアノを学ぶ方々にとって共通の課題です。特にエチュード(練習曲)の選択は、指導者のアドバイスがない中で慎重な判断が必要となります。

本記事では、この悩みを解決する具体的なアプローチを紹介します。

 

► 独学者がよく直面する状況

 

独学者が練習曲選択において直面する典型的な悩みや状況には、以下のようなものがあります:

・次に取り組む楽曲が決まらない
・短いエチュードで息抜きをしながら、次の曲をゆっくり決めたい
・奏法を見直しながら、丁寧に仕上げる学習をしたい
・練習内容に余裕があり、新しい曲を追加したい

 

これらの状況は異なって見えますが、実は共通の解決策でアプローチできます。

 

► エチュード選択の黄金律

‣ 独学者が使うエチュードについての解決策

 

「独学者」が使うエチュードについての解決策は、とてもシンプルです。

「原則、コンサートピースとしても使えるエチュードのみに取り組む」

 

この原則を守ることで、練習時間を最大限に活用でき、以下の利点が得られます:

・すべての練習がレパートリー形成につながる
・技術的訓練と音楽的成長が同時に達成できる
・将来的に演奏機会にも活用できる
・モチベーションの維持がしやすい

 

‣ 具体的なおすすめ教材

 

1. J.S.バッハ「インヴェンションとシンフォニア」(初級〜中級)

特に2声のインヴェンションは、以下の理由で最適な教材です:

・見開き2ページで取り組みやすい長さ
・両手のバランスのよい訓練が可能
・音楽的深さがあり、何度も学び直す価値がある
・暗譜して長期的なレパートリーとして活用できる

 

2. バルトーク「ミクロコスモス」(初級〜上級)

現代的な音楽語法を学びながら、技術も向上させられる優れた教材です。初級から上級までの作品が幅広く収録されているので、抜粋で学習するのも効果的でしょう。

 

3. 上級者向けの選択肢

・ショパンのエチュード
・ドビュッシーのエチュード
・スクリャービンのエチュード
・ラフマニノフのエチュード
・リゲティのエチュード

これらは技術的訓練だけでなく、音楽的な価値も非常に高い作品です。また、エチュードではなくても、訓練的性格を持った作品(例:ベートーヴェン「エロイカ変奏曲」など)に取り組むことも、技術的練習と芸術的表現を同時に追求できるためおすすめです。

参考記事:【ピアノ】ツェルニー50番、このまま続けるべき?:代用としての「エロイカ変奏曲」のすすめ

 

‣ この方法を特におすすめする学習者

 

「原則、コンサートピースとしても使えるエチュードのみに取り組む」という方法は、あらゆる学習者にとって有効ですが、一点集中型の性格を持っている方や、複数のことを同時進行するのが苦手な方には特におすすめできます。

「複数の課題を同時に進めるのが苦手で、限られたことに集中して取り組みたい」

このような方には、取り組む内容すべてを「演奏会で弾くこと」に集約する学習法が効果的です。練習のためだけの教材ではなく、実際に人前で演奏できるレベルまで仕上げることを目標とすることで、学習の質が大幅に向上します。

 

► 効果的な学習アプローチ

 

選曲時の具体的なステップ:

1. まず、コンサートピースとして使えるエチュードに絞る
2. 自身のレベルより少し高めの教材を選ぶ
3. 1曲に絞って徹底的に取り組む
4. 演奏機会を想定しながら練習を進める

 

インヴェンションを例にした具体的な取り組み方:

1. まずは1曲を選んで集中的に取り組む
2. 暗譜するくらい深く学ぶ
3. 可能であれば解釈本や分析本も参考にする
4. 友人など少人数の前でもいいので、一度本番で演奏する

 

「ほぼ譜読みが不要のエチュード」は取り入れても良い

例外として、ハノンやコルトーなどの「ほぼ譜読みが不要のエチュード」は、上記の楽曲練習と並行して取り入れることも有効です。ただし、その場合も自分の弱点を把握したうえで適切に取り入れるようにしましょう。闇雲に最初から練習する必要はありません。

 

► まとめ

 

独学でピアノを学ぶ際の選曲は、「コンサートピースとして使えるエチュード」という基準を持つことで、大きく簡略化できます。

一見難しそうに感じる曲でも、入門レベルを終えていれば、じっくりと時間をかけて取り組む価値は十分にあります。中途半端に多くの曲を学ぶよりも、1曲を深く理解し、確実にレパートリーとして身につけることで、より確かな成長が期待できるでしょう。

 


 

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