【ピアノ】シューマン作品の演奏ポイント解説集:譜例付き実践ガイド

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【ピアノ】シューマン作品の演奏ポイント解説集:譜例付き実践ガイド

► はじめに

 

本記事では、シューマンのピアノ作品における実践的な演奏アドバイスをまとめています。各曲の重要なポイントを、譜例とともに具体的に解説していきます。

この記事は随時更新され、新しい作品や演奏のヒントが追加されていく予定です。

 

► 小品

‣ アレグロ Op.8

 

シューマン「アレグロ Op.8」ワンポイントレッスン

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、170-171小節)

シューマン「アレグロ Op.8」のコーダ、右手の分散和音と左手のメロディの譜例。

譜例の箇所から、長く充実したコーダになります。

下段にメインメロディがきているので、それらが一番主張するように聴かせましょう。右手で演奏する分散和音は、親指が軸になっていることを理解して、一つのスラーを一息で弾いてください

一息で弾くコツは、ワンフレーズワンアクションにすることです。アクセントのついたはじめの音を深く弾いて、そのアクションの中で余力で他の音も弾いてしまうイメージです。一つ一つ一つ、にならないように気をつけましょう。

 

‣ 謝肉祭 Op.9

· 1. 前口上

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。「‣ シューマンの記譜法に見る多声的思考」で解説しています。

【ピアノ】煩雑さを避けた記譜の解釈に注意する

 

· 5. オイゼビウス

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。「‣ あいまいな連符を上手く歌うコツ」で解説しています。

【ピアノ】連符を音楽の流れの中で自然に演奏する方法

 

· 7. コケット

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。「‣ 17. 手の形を準備できる音型」で解説しています。

【ピアノ】実践的なアプローチで磨く音楽性と演奏力:独学でも確実に成長するための総合ガイド

 

· 12. ショパン

 

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、10-11小節)

シューマン「謝肉祭 Op.9 12. ショパン」10-11小節、小音符と通常音符のメロディおよび右手の伴奏音の譜例。

10小節目のメロディでは、小音符から通常の音符へ戻るときに音色を変えて、それらの差を表現しましょう小音符の部分をさらっと軽く演奏しておくのが、差をつけやすくするコツです。

 

11小節目の丸印で示した伴奏の音は右手で取ることもできます。これらの音は直後のメロディと音域が被っているため、メロディの一部として聴こえてしまわないようsf はやり過ぎないことが重要です。メロディと音色を変えるのが難しく感じるのであれば、あえて右手で取らずに弾いてもいいでしょう。

 

· 14. 再会

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。「‣ 13. 多声における同一指同音連打の繊細な技法」で解説しています。

【ピアノ】同音連打の基礎と応用

 

· 15. パンタロンとコンビーヌ

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。『· 1-1.「指を使用したスタッカート」の使用例』で解説しています。

【ピアノ】スタッカートを理解する:奏法、テクニック、音楽的解釈の深堀り

 

· 16. ドイツ風ワルツ – 間奏曲(パガニーニ)

 

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、パガニーニの冒頭)

シューマン「謝肉祭 Op.9 16. ドイツ風ワルツ – 間奏曲(パガニーニ)」の跳躍を含む急速なパッセージの譜例。

このような跳躍を伴う急速な部分を弾きこなすために必要なのは、とにかく、譜読みの段階から片手ずつ暗譜をしてしまうことです。そして、片手ずつ暗譜により Presto で弾けるようにしてから、両手でゆっくりと合わせ始めます。

両手でテンポを上げるときには、ごく短い単位に区切って速い速度で弾く練習をし、ピカピカにした部分部分をつなぎ合わせて長くする方法をとるといいでしょう。

 

· 18. プロムナード

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。「‣ 11. 和音の響きを際限なくする方法」で解説しています。

【ピアノ】音色を操る:表現力と楽曲理解を深めるヒント集

 

· 20. ペリシテ人と戦うダヴィッド同盟の行進

 

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)

シューマン「謝肉祭 Op.9 20. ペリシテ人と戦うダヴィッド同盟の行進」冒頭の譜例。

自信たっぷりに堂々と響かせたい行進なので、8分音符の動きがスタッカートのようになってしまわないように注意が必要です。それぞれの8分音符にテヌートがついているイメージで弾いてください。各小節の3拍目から次の小節へのつながりを意識して、1小節1小節1小節にならないよう、注意しましょう。

加えて、左手の内声にはところどころメロディックなラインが隠されているので、それらの動きをよく聴いて演奏することが重要です。

 

‣ 子供の情景 Op.15

· 1. 見知らぬ国

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。「‣ 3. リタルダンドのかけ方を考えるときのエネルギー読解」で解説しています。

【ピアノ】リタルダンド(rit.)の奥深い表現技法

 

· 7.トロイメライ

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。「‣ 36. ペダリングでメロディを途切れさせないために」で解説しています。

【ピアノ】ダンパーペダル 完全ガイド:音楽表現を豊かにする実践的ヒント集

 

‣ 幻想曲 Op.17

· 第1楽章

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。「‣ 37. 両手で分担した途端に魅力がなくなるパッセージ」で解説しています。

【ピアノ】作曲家の意図を実現する運指選択のポイント:楽曲構造に基づく演奏技術論

 

‣ 3つのロマンス Op.28

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【ピアノ】シューマン「3つのロマンス Op.28」特徴と演奏のヒント:中上級者向け

 

‣ ユーゲントアルバム(子どものためのアルバム) Op.68

· 1. メロディ

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【30秒で分かる】初心者でもできる楽曲分析方法① ~メロディラインの起伏を視覚化する~

 

大人のための独学用Kindleピアノ教室 【シューマン ユーゲントアルバム より メロディー】徹底分析

 

· 2. 兵士の行進

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。『‣ シューマン「兵士の行進」のワンポイント分析例』で解説しています。

【ピアノ】楽曲分析が深まる、エバーグリーン作品の選び方と実践例

 

大人のための独学用Kindleピアノ教室 【シューマン 兵士の行進】徹底分析

 

 

 

 

 

 

· 4. コラール

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。「‣ 2. 後踏みペダルへの第一歩:感覚をつかむトレーニング」で解説しています。

【ピアノ】ダンパーペダル 完全ガイド:音楽表現を豊かにする実践的ヒント集

 

· 6. 哀れな孤児

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。「‣ 2. 上下段の声部連結のまたがりを見抜く」で解説しています。

【ピアノ】上下段をまたぐ書法3つ:音楽性を損なわない譜読み方法

 

大人のための独学用Kindleピアノ教室 【シューマン 哀れな孤児】徹底分析

 

 

 

 

 

 

· 8. 勇敢な騎手

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【ピアノ】シューマン「勇敢な騎手」のsfの解釈と演奏法:楽曲分析からのアプローチ

 

· 10. 楽しき農夫

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【30秒で分かる】シューマン「楽しき農夫」の難所対策! ~ユーゲントアルバム Op.68-10 弾き方のポイント~

 

· 11. シチリアーナ

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【ピアノ】シューマン「ユーゲントアルバム Op.68-11 シチリアーナ」の詳細分析

 

· 12. サンタクロース

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【ピアノ】シューマン「サンタクロース」の楽曲分析:セクション毎の特徴に着目して

 

· 13. 愛する五月よ

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

‣ 7.「アーティキュレーションをもらう」という考え方を取り入れる

 

· 15. 春の歌

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【ピアノ】シューマン「ユーゲントアルバム Op.68-15 春の歌」の詳細分析

 

· 16. 初めての悲しみ

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【30秒で分かる】シューマン「初めての悲しみ」の難所対策! ~ユーゲントアルバム Op.68-16 弾き方のポイント~

 

· 19. 小さなロマンス

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【ピアノ】シューマン「小さなロマンス」に見る補足リズムの分析

 

· 20. 田舎の歌

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【ピアノ】シューマン「ユーゲントアルバム Op.68-20 田舎の歌」の詳細分析

 

· 21. 無題

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

‣ シューマン「ユーゲントアルバム Op.68-21 無題」

 

· 24. 収穫の歌

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【ピアノ】シューマン「ユーゲントアルバム Op.68-24 収穫の歌」の詳細分析

 

· 25. 劇場からの余韻

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【ピアノ】シューマン「ユーゲントアルバム Op.68-25 劇場からの余韻」の詳細分析

 

· 26. 無題

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【ピアノ】シューマン「ユーゲントアルバム Op.68-26 無題」の詳細分析

 

· 36. イタリア水夫の歌

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【ピアノ】ピアノ曲のエコー表現4タイプ:楽曲分析の視点から

 

‣ アルバムの綴り Op.124

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

【ピアノ】シューマン「アルバムの綴り Op.124」おすすめ楽曲 5選:初中級者向け

 

► ピアノソナタ

‣ ピアノソナタ 第2番 ト短調 Op.22

· 第1楽章

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。「‣ 60. 強弱と同時にフレーズも示すデクレッシェンド」で解説しています。

【ピアノ】譜読み力を劇的に向上させるための完全ガイド:基礎から応用まで

 

· 第2楽章

 

この作品については以下の記事で解説していますので、参考にしてください。「‣ 9. simileか否かの見分け方」で解説しています。

【ピアノ】楽譜の「ウラ」を読み解く譜読みの技術と心構え

 

► 終わりに

 

シューマンの作品には、独特の音楽語法と表現技法が詰まっています。

本記事では、実践的な演奏アプローチを紹介していますが、これらはあくまでも一つの解釈として捉えていただければと思います。

今後も新しい作品や演奏のヒントを追加していく予定ですので、定期的にご確認いただければ幸いです。

 


 

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