本記事では、なぜ違和感を感じたらすぐに練習を中止すべきなのか、その理由についてお話しします。
なぜ手に違和感が生じるのか
ピアノを弾く動作は、実は私たちの日常生活での動きとは大きく異なります。指を独立して動かし、同時に複数の指を異なるタイミングで動かすなど、非常に特殊な動きを必要とします。そのため、意識せずとも手や腕に負担がかかることがあるのです。
よくある症状として以下のようなものが挙げられます:
・指の付け根の痛みやこわばり
・手首の違和感や疲労感
・腕全体の張り
・肩の凝りや痛み
指導者でも気づきにくい身体の変化
筆者は整形外科医ではないため、詳しい医学的な説明は控えますが、一つ重要な事実をお伝えしたいと思います。それは「優れたピアノ指導者でも、生徒の痛みを見抜くことは極めて困難」だということです。
確かに、極端に歪んだ奏法であれば指導者も気づくことができるでしょう。しかし、体の内部で起きている変化や痛みは、外からは分かりません。特に独学で練習している場合は、自分の体の声に耳を傾けることが一層重要になります。
他分野からの教訓
フィギュアスケートでは、選手の疲労骨折がしばしば話題になります。全身を使う激しい運動であっても、コーチですら選手の身体の異変に気づけないことがあるのです。
まして、ピアノ演奏という繊細な動きにおいては、外部からの判断は一層難しくなります。
予防と対策のために
練習を安全に行うためのポイントを紹介します:
・45-50分ごとに短い休憩を入れる(参考記事:【ピアノ】日々の練習時間の管理を最適化する6つの方法)
・正しい姿勢を保つ(参考記事:【ピアノ】初心者必見の演奏姿勢改善ガイド)
・力の入れ過ぎに注意する(参考記事:【ピアノ】演奏における脱力:知識と実践テクニック)
違和感を感じたら
練習中断後の対応として、以下のリソースが役立ちます:
・専門家による書籍での知識習得
・音楽家専門外来の受診
・理学療法士への相談
ただし、最も重要なのは「練習を中断する決断」です。これは誰かが代わりに行ってくれるものではなく、自身で判断を下すしかありません。
まとめ:自己管理の重要性
「不調は、原則、誰も指摘してくれない」 この事実を常に意識し、自分の身体と向き合いながら練習を進めていくことが、長く音楽を続けていくためのカギとなります。
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