次の譜例を見てください。
このように、
2拍目裏から3拍目にかけてタイで結ばれているアルペジオ伴奏では、
大きく譜例のような2つの演奏方法があります。
ポピュラーピアノでは
一音一音をどう表現すればいいかといった
アーティキュレーションが書き込まれていないことも多いため、
演奏方法に迷ってしまいがち。
譜例で示したような
スラーなどが書かれていないことも多いでしょう。
(再掲)
①は言って見れば「クラシック的」なニュアンスです。
バスを深く響かせて
それ以降の音は小さくしていきます。
「バスの響きの中に他の音が溶けていくように演奏する」
このように弾くのがポイントです。
楽曲や前後関係にもよりますが、
「アンドレ・ギャニオン」などの作品は
この演奏法が合うでしょう。
(再掲)
②は、①よりも「ポピュラー寄り」の奏法です。
参考までにテヌートを書き込んでみましたが、
「2拍目裏の音にもビートを感じて演奏する」
このようなニュアンスが特徴です。
そうすることで
音としては伸びている3-4拍目にも
聴衆の中には潜在的に8分音符の刻みが残ります。
そして8ビートとしての楽曲の印象が強くなります。
楽曲や前後関係にもよりますが、
「ジョージ・ウィンストン」などの作品は
この演奏法が合うでしょう。
それぞれの演奏法のニュアンスの違いを理解し、
自身が演奏する楽曲ではどのニュアンスをつけるか
慎重に検討しましょう。
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