【ピアノ】ポピュラーのアルペジオ伴奏:クラシック寄りとポピュラー寄りの演奏アプローチ

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【ピアノ】ポピュラーのアルペジオ伴奏:クラシック寄りとポピュラー寄りの演奏アプローチ

► はじめに

 

ポピュラーピアノにおいてアルペジオ伴奏は特に頻繁に登場し、演奏スタイルによって印象が大きく変わる部分です。

本記事では、このジャンルでよく使われるアルペジオ伴奏の2つの演奏法について解説します。

 

► ポピュラーピアノの楽譜の傾向

 

譜例(Sibeliusで作成)

このように、2拍目裏から3拍目にかけてタイで結ばれているアルペジオ伴奏では、大きく譜例のような2つの演奏方法があります。

ポピュラーピアノの楽譜には、しばしばアーティキュレーションが記されていないことがあるため、演奏者は弾き方に迷うことが多くなるでしょう。

譜例で示したスラーなどが書かれていないことも多いはずです。

 

► アルペジオ伴奏の2種類の弾き方

‣「クラシック寄り」のニュアンス

 

(再掲)

①は言ってみれば「クラシック的」なニュアンス。

バスを深く響かせて、それ以降の音は小さく消していきます。バスの響きの中に他の音が溶けていくように演奏するのがポイントです。

楽曲や前後関係にもよりますが、「アンドレ・ギャニオン」などの作品はこの演奏法が合うでしょう。

 

‣「ポピュラー寄り」のニュアンス

 

(再掲)

②は、①よりも「ポピュラー寄り」のニュアンスです。

参考までにテヌートを書き込んでみましたが、「2拍目裏の音にもビートを感じて演奏する」ことによるニュアンスが特徴です。テヌートの音に少し重みを入れましょう。譜例では、subito mp で表現しました。

そうすることで、音としては伸びている3-4拍目にも、聴衆の中には潜在的に8分音符の刻みが残り、8ビートとしての楽曲の印象が強くなります。

楽曲や前後関係にもよりますが、「ジョージ・ウィンストン」などの作品はこの演奏法が合うでしょう。

 

► 終わりに

 

演奏法を選ぶ際には、曲のタイプや雰囲気を考慮し、どのニュアンスが最も適切かを検討しましょう。

 

このジャンルにおけるおすすめ楽曲は、以下記事でまとめています:

 

アンドレ・ギャニオン:

【ピアノ】アンドレ・ギャニオン「めぐり逢い」難易度と弾き方解説
【ピアノ】「愛につつまれて(アンドレ・ギャニオン)」の難易度と弾き方ガイド

ジョージ・ウィンストン:

【ピアノ】ジョージ・ウィンストンが編曲した「パッヘルベルのカノン」
【ピアノ】ジョージ・ウィンストン「あこがれ / 愛」 演奏法と楽譜の選び方

リチャード・クレイダーマン:

【ピアノ】クラシックピアニストのためのリチャード・クレイダーマン楽譜ガイド

 


 

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