■音符の前につけられている弧の意味
♬ タイと考えてよいケース
具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ドビュッシー「夜想曲」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
2小節3拍目のDes音のオクターヴでは、
音符の前に弧がつけられています。
“直前の音符の後ろから出ている弧” は
1拍目の2分音符についていますね。
音源を聴けば分かると思いますが、
これは「タイ」と解釈してOKです。
無理矢理タイをつなぐこともできたわけですが、
それでは見にくくなってしまいますので
このような記譜法がとられたのです。
ちなみに、
近現代以降の作曲家によっては
「楽譜の見た目の重視」
を理由として
この記譜法を使うケースもあります。
「つなぐよりもカッコいい」
という言い方は少し安く響きますが、
そのような意図で使うこともあると
とある著名な邦人作曲家も断言しています。
(再掲)
この楽曲では
「muettes(無音)」
と言葉でも書かれていますが、
書かれていない楽曲であっても
基本的には「タイ」であると解釈して下さい。
タイというのは
「直前の “同じ音程” の音符」があってこそです。
したがって、
◉”直前の音符の後ろから出ている弧” 自体がない
などということであれば
「タイではない」
ということになります。
ただ、
そういったケースでは
このような記譜法はほとんど使われません。
例外的に使われるケースは
次の項目のような場合です。
♬ 現代音楽では別の意味でも
特に現代音楽の分野では
「その音へ、ていねいに入ってほしい」
という意味で
音符の前に弧がつけられることも。
これが、前述の「例外」にあたります。
以前に、
という記事で解説していますので
あわせて参考にして下さい。
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