【ピアノ】初中級者から弾けるおすすめ変奏曲 3選:ツェルニー30番レベル
► はじめに
「様々なタイプの変奏作品に挑戦したい」
「初中級レベルで弾ける作品の中からおすすめを知りたい」
「発表会映えする作品の中から教えて欲しい」
そんな思いをお持ちの方のために、本記事では初中級から挑戦できる名曲を厳選して紹介します。ツェルニー30番程度の学習段階の方であれば、確実に取り組める作品ばかりです。
もう少しやさしい変奏曲を探している方は、以下の記事を参考にしてください:
・【ピアノ】ブルグミュラー25の練習曲程度で弾けるバロック変奏曲3曲
・【ピアノ】ブルグミュラー25の練習曲程度で弾ける古典派変奏曲3曲:3分以内
・【ピアノ】ブルグミュラー25の練習曲程度で弾けるロマン派変奏曲3曲
► 選曲の基準
今回紹介する3曲は、以下のポイントを重視して選びました:
・演奏難易度:ツェルニー30番レベルで挑戦可能
・演奏時間:コンパクトで飽きさせない長さ
・音楽性:発表会でも映える音楽的な魅力
・取り組みやすさ:入手しやすい楽譜があること
・学習効果:変奏技法を学べる教育的価値
► 作品比較表
作品名 | 作曲家 | 演奏時間 | 変奏の種類 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
調子の良い鍛冶屋 | ヘンデル | 約4分30秒 | 正統的変奏曲 | 親しみやすく、変奏の基本を学べる |
ソナタ K.311 第2楽章 | モーツァルト | 約5分 | 変奏形式 | 優雅で美しいロマンス |
6つのエコセーズ | ベートーヴェン | 約2分30秒 | 変奏形式 | コンパクトで軽快な曲調 |
► おすすめ3選
‣ ヘンデル「調子の良い鍛冶屋」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
作曲年:1717年頃
演奏時間:約4分半
作品の魅力
正統的な変奏曲でありながら、コンパクトな構成となっています。楽譜の見た目よりもずっと手になじみやすく、バロック音楽特有の装飾的な美しさを堪能できます。
音楽的な見どころ:
・発表会でも喜ばれる親しみやすいメロディ
・各変奏で異なる技法を学べる(装飾、リズム変奏、対位法的処理など)
・バロック様式の理解が深まる
学習のポイント:
・主題をしっかりと理解してから変奏に取り組む
・各変奏の性格の違いを明確に表現する
楽譜について
ヘンレ原典版の他、以下のサイトで即入手可能です:
・ぷりんと楽譜(単曲PDF) » 愉快な鍛冶屋(Georg Friedrich Handel) /ピアノ(ソロ)
※「調子の良い鍛冶屋」は「愉快な鍛冶屋」「エアと変奏」など、様々な日本語訳で親しまれています。
‣ モーツァルト「ピアノソナタ ニ長調 K.311 (284c) 第2楽章」
譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、曲頭)
作曲年:1777年
演奏時間:約5分
作品の魅力
2005年のNHK「スーパーピアノレッスン モーツァルト編」で取り上げられ、多くの学習者に愛されるようになった楽曲です。正統的な変奏曲ではなく「変奏形式(明確な主題と変奏の形式はとっていないけれども、変奏展開していくもの)」による作品で、ただただ美しいロマンスを堪能できます。
音楽的な見どころ:
・モーツァルト特有の優雅で洗練された旋律美
・サロン音楽の雰囲気が漂う優雅な曲
・約5分のコンパクトな作品ながら充実した内容
学習のポイント
推奨記事:【ピアノ】中庸テンポでのアルベルティ・バスにおけるフィンガーペダルの使用実践例
楽譜について
ヘンレ原典版の他、以下のサイトで即入手可能です:
・ぷりんと楽譜(単曲PDF) » Sonata In D Major, K. 311(Wolfgang Amadeus Mozart)
‣ ベートーヴェン「6つのエコセーズ」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
作曲年:1806年
演奏時間:約2分強
作品の魅力
これも正統的な変奏曲ではなく「変奏形式」による作品です。「6つのエコセーズ」とは言えども、通常は6つ続けて演奏されます。初歩段階の教材として使用されることが多いものの、フリードリヒ・グルダなどの著名なピアニストもレパートリーにしている、学習教材に留まらない一生モノの作品です。
音楽的な見どころ:
・ソナタ以外で、ベートーヴェンの多様な音楽性を感じられる
・レッジェーロ(軽やか)で楽しげな雰囲気
・演奏時間約2分強と非常にコンパクト
学習のポイント:
・各曲の個性を明確に区別して演奏する
・舞曲としてのリズム感を大切にする
楽譜について
ヘンレ原典版の他、以下のサイトで即入手可能です:
・ぷりんと楽譜(単曲PDF) » エコセーズ(Ludwig van Beethoven) /ピアノ(ソロ)
► 学習のステップアップ
これらの曲をマスターしたら、次は以下の作品に挑戦してみましょう:
中級:
・モーツァルト「きらきら星変奏曲」(正統的な変奏曲)
・ショパン「ノクターン 第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2」(変奏形式)
・【ピアノ】ツェルニー30番程度で弾けるバルトーク変奏曲 3選(正統的な変奏曲)
上級:
・【ピアノ】バッハ=ブラームス「シャコンヌ」完全ガイド:難易度・楽譜選択のポイント(変奏形式)
・【ピアノ】ツェルニー50番、このまま続けるべき?:代用としての「エロイカ変奏曲」のすすめ(正統的な変奏曲)
► まとめ
本記事ではあえて、2パターンの変奏関連作品を取り上げました:
・正統的な変奏曲
・変奏形式による楽曲
今回紹介した3曲は、変奏曲を弾いたことがないまま初中級者になった方にも適した作品です。じっくりと取り組んでみてください。
詳しい変奏曲の学習ヒントについては、以下の記事で解説しています。
【ピアノ】変奏曲を音楽的に仕上げるための3つのポイントと実践的アプローチ
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