【ピアノ】ハノンを活用するときの心構えと基本的注意
► この記事で分かること
・ハノンの効果的な練習方法と活用法
・基礎練習における注意点と心構え
・テクニカルな練習方法と具体的なアプローチ
・正しい身体の使い方とフォーム改善のポイント
► はじめに
以下のような希望や悩みをお持ちの方に、具体的な解決策を提案します:
・ハノンの効果的な使い方を知りたい
・ハノンの練習がマンネリ化してきて練習方法に悩んでいる
・ハノンの練習における注意点や心構えを知りたい
► A. 基本的な心構えと練習アプローチ
‣ 1. ゆっくりの動作から始める
要点:
・プロ野球選手の素振りのように、ゆっくりから始めて段階的にペースを上げる
・両手の音をしっかり聴ける状態から開始する
・身体の状態を確認しながら練習を進める
プロ野球選手の練習風景を見ると、多くの選手に共通点があります。
打者の場合、多くの選手が素振りから始め、なおかつ、ものすごくゆっくりの動作から始めてだんだんペースを上げていくこと。
これらを見た時に、ピアノの練習と同じだと思いました。
ピアノでいうハノンは、野球で言えば素振りのようなエクササイズです。とても地味な練習だとも言えます。
ハノンをいきなりものすごい速さで演奏し始める方もいますが、
ゆっくりと、両手の音をしっかりと聴けるテンポから始めて、以下のようなことを自分へ問いかける時間にしましょう:
・両手それぞれの音をしっかり聴けているかな
・手はどれくらいあたたまってきたかな
・修正課題のフォームを意識できているかな
・昨日の練習の疲れがどれくらい残っているかな
そのうえで、その日の後の練習メニューを考えるのはどうでしょうか。
そして、確実に音が入るようになってからテンポを上げていきます。
プロ野球選手はなぜ素振りをするのか?
それは、単に打つ練習ではなく、自分の良くないフォームなどのクセを確実に修正すると同時に、自分の身体の不調な部分を確かめているわけです。
それによって練習メニューを調整し、効率を上げると同時にケガを避けています。
ピアノは野球に比べたらケガをする可能性は低いですが、
何十年間も腱鞘炎にならずにピアノを弾いてきた方が、ある日突然腱鞘炎になって慢性化してしまった例もあります。
永く楽しくピアノを続けていくためにも、その日の練習のはじめはゆっくりとしたテンポから。
まずこれを念頭に置いておきましょう。
‣ 2. ハノンを辞書として活用する
ポイント:
・練習項目の把握と必要な時の参照
・楽曲からテクニックを逆算する考え方
・効率的な練習計画の立て方
・練習で何につまづき
・何が基礎で
・何を習得したら基礎を一通り学んだことになるのか
こういったことを考えていくうえで、「ハノンを辞書のように使う」ということが役に立ちます。
時間のある時にハノンに目を通して、どんな練習項目があるのか把握しておく。
例えば、「トレモロ」「トリル」「スケール」「半音階」「アルペジオ」「3度」「6度」「オクターブ」「同音連打」「5本の指の平均的な基礎練習」等々。
そして、いずれ自分が練習している実際の楽曲の中で特定のテクニックにつまづき、強化したい部分が出てきた時に、「楽曲からテクニックを逆算」してハノンという辞書をひき、練習する。
つまり、「ハノンで何ができるか分かる」というところさえクリアしておけば、全部を闇雲に練習したり暗譜したりする必要はないわけです。
まずは、「こういった練習項目がある」ということを把握しておき、必要なときにハノンという辞書を引けるようにしておけばOK。それをできるのがハノン。
各テクニックが項目ごとにこんなに徹底されて管理されている教本は数少ないのです。
‣ 3. セット練習の活用法
重要な気づき:
・ハノンの便利さと不完全さの理解
・実際の楽曲との関連付け
・応用力の養成
昔から「セット練習」という練習方法が取り入れられてきました。
例えば、「スケールが多く出てくるC-durの楽曲」を練習する時に、「ハノンのC-durスケール」をセットで練習するといったような方法です。
この練習をすると、以下のことに気付きます。
・ハノンという教本の便利さと不完全さ
・実際の楽曲の多様さ
ハノンのスケールは、基本的に同じ指遣いの繰り返し。
「同じことを反復する」というのはエチュードとしての効果は考えられているのですが、
実際の楽曲になるとそのままの形で応用できる箇所は相当限られてくることが分かります。
そもそものハノンの作曲意図が、そのまま楽曲に当てはめることを想定していないのです。
となると、「セット練習」もそのつもりで取り組まなければ期待を外してしまうことになります。
「スケールが必要」と感じた時にすぐにスケールの練習をチョイスできるハノンという教本の便利さは、他の教本にはありません。
そして、これほどまでに1曲の中で特定のテクニックに絞って訓練できる教本はほとんどありません。
一方、同時に「ハノンは不完全なものでもある」ということも知っておかないといけません。
まずやるべきなのは、セット練習をしてみることで、「実際の楽曲で求められているけれど、ハノンでは練習できない部分」をきちんと把握することです。
そして、その足りない部分をどうやって練習していくかを考えることです。
その上で、自分はハノンをどのような意図で使っていこうかと考える。
ここまでしっかり考えた上でハノンを取り入れていくことで、取り組む練習ひとつひとつの目的がはっきりし、より充実した練習をすることができるはずです。
‣ 4. 基礎練習の落とし穴
注意点:
・「やった気」になることへの警戒
・実際の楽曲練習とのバランス
・練習の質の確保
基礎練習にはメンタル面での大きな落とし穴があります。
「練習をしっかりやった気になりやすい」という点。
ハノンをはじめメカニック的な基礎練習では、特定のテクニックに絞って同じような動きをストイックにこなすものがほとんどなので、「やった感」「こなした感」「満足感」を感じやすい。
目的を忘れないようにしましょう。
満足してしまい実際の楽曲に向き合う時間をとらないで練習終了してしまうのなら、目的から外れてしまいます。
「基礎練習で満足しないで、たとえ少しでも曲の練習時間もとる」
これを意識しましょう。
‣ 5. 練習量の適正化
実践的アドバイス:
・1時間での全曲練習を避ける理由
・効果的な練習時間の配分
・質を重視したアプローチ
教本の序文には「この本を全て弾いても1時間で弾けます」などというハノン自身による記述がありますが、それは相当レベルが高い演奏者を対象にしていると思ってください。
実際にすべてを1時間で弾くことは可能ですが、おそらく練習密度が低くなってしまいます。
「できるところを気持ちよく弾く練習」ばかりで「できていないところを改善する練習」が足りていない可能性があるからです。
もし練習を身にしたいのであれば、ハノン全てを1時間で弾こうとはしないでください。
目の前にある「やると決めたこと」が大量だと「終わらせること」ばかりに意識がいってしまいます。
基礎練習をノルマにしないようにしましょう。
「ハノンをやっている時が一番ラクをしているときになってしまっていないか」
これを一度自身に問いかけてみてください。
‣ 6. 同じ運指の意義と応用力
例えば、ハノンで全調スケールを練習するとしましょう。
親指のくぐらせる位置など、ずっと同じ指遣いで進みますね。
「実際の楽曲ではさまざまな運指のパターンが断片的に求められるし、そのまま当てはめられないようなものをやる意味があるのだろうか」
などと思うことはありませんか。
昔、筆者はそう疑問に思っていました。
しかし、ブラームスによるグリッサンドのエチュードを学んだ時に、ハノンの練習のやる意味さえ感じることができました。
要するに、この種の練習曲は特定の音型に完全対応するための準備練習というよりは、あらゆる形でその音型の類似型が出てきたときの対応策を増やしておくために、考える力をつけておくために、やる必要があるのです。
楽曲に完全フィットするようなエチュードを作るくらいだったら、実際の楽曲で練習すればいいわけです。
一番基本的な指遣いによる全調スケールを経験しておけば、それらの近しい亜種にも、ある程度対応できるようになる。
ブラームスのグリッサンドエチュードでも
「こんな形で、こんなスピードで、こんな運指でグリッサンドできますよ」
という例を提示しておいて、実際の楽曲で出てきたグリッサンドに対応するときの ”考える力” を養わせています。
少なくとも、エチュードの音型が実際の楽曲にそのまま当てはめられないこと自体に大した問題は含んでいないことを理解してください。
‣ 7. ハノンでの練習メニューの作り方
練習時間での悩みどころは「基礎練習の練習時間」だと思います。
結論から言うと、時間をかけすぎる必要はありません。
特にハノンなどの基礎練習をはじから全部こなそうとしてしまうと、毎日たくさん弾くことに注力してしまい、ただの作業になってしまいます。
基本的には「最低限の基礎練習」のみを行い、むしろ楽曲に取り組んでいくことへ意識を向けます。
そして、楽曲の中で表現したい内容のために必要なテクニックが出てきたら、そこで「逆引き辞書的に基礎練習に戻る」、というのが順序としては効果的。
では、どうやって「最低限の基礎練習メニュー」を作ればいいのか。
全音楽譜出版社の「全訳ハノンピアノ教本」を元に記述します。
オススメするのは、「46番(トリル)」と「60番(トレモロ)」。これは毎日行うことを勧めます。
「46番(トリル)」は3の指と4の指という動きにくい指間を連続して使用するので良い訓練になります。
「60番(トレモロ)」は通して弾いてみると「親指の根元のふくらんだ部分の筋肉」がとても疲れると思います。
しかし、ありとあらゆる作品でトレモロは頻出しますし、普段衰えがちな筋肉をしっかり動かしておく意味でも、60番は丁寧に練習すべきです。
どの番号でも同様ですが、「今、どこの部分のトレーニングになっているのか」を必ず意識して練習してください。
何となく毎日ハノンを触ってたら勝手に上達してた、何てことはあり得ません。
全調スケールやアルペジオに取り組む学習者が多いようですが、まずは「46番(トリル)」と「60番(トレモロ)」を徹底的に練習してみるといいでしょう。
実際のメニューとしては、1番から31番までの中から数曲抜粋し、それに「46番(トリル)」と「60番(トレモロ)」を加える。
そして、余裕があれば自分の弱点に合わせて辞書の逆引き的に他の番号をいくつか加える、というのがおすすめです。
► B. テクニカルな練習方法
‣ 1. 効果的な練習バリエーション
· 間抜きオクターブユニゾン練習法
すぐに実践できる、ハノンの一風異なる活用法として挙げられるのが、
「右手と左手を1オクターブ離して弾いてみる」という方法。
例えばハノンの1番を弾く時に、楽譜より右手を1オクターブ上げた状態でスタートします。
上行型は楽譜通りだと2オクターブ上がってから下行型になりますが、
右手を1オクターブ上げた状態でスタートしている場合は、上行型、下行型共に1オクターブの上がり下がりのみで構いません。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成)
この練習方法は、「右手を1オクターブ上げることで、左右の手で弾いている音が良く聴こえる」という利点があります。
音域さえ考慮すれば、ハノンのさまざまな練習番号に応用出来る方法。
指のトレーニングは、ただ指を動かしているだけでは効果は上がりません。
左右の手で出している音がしっかりとしたものであるかを自分の耳で確認しながら練習をしていくことが、上達の必須条件です。
· 全調での練習方法
「ハノンの1番を全調で弾く(運指は楽譜通りで)」
実はこれが意外と難しいのです。
原曲の楽譜はC-durで書かれていますが、これを半音上げたDes-durで演奏する(開始音もDes)となると、小指や薬指で黒鍵を打鍵する箇所がたくさん出てきます。
小指などは特に短いので、はじめは非常に弾きにくく感じます。
しかし、C-durの平らな場所(白鍵)のみで練習しているのではなく、凸凹な場所を弾くことが指をトレーニングしていく際に欠かせません。
練習のポイントは、第1番の場合、上行型の左手の運指は「54321234」というように、指遣いはC-durのときのまま演奏するという点。
これを全調で練習できればベストですが、慣れるまでは、G-durやF-durなどの調号が少ないものからトライしてみると良いでしょう。
そして、上記、「右手と左手を1オクターブ離して弾いてみる」という方法も組み合わせるとより効果的です。
実際の楽曲になると、前後関係などの兼ね合いでこのような弾きにくい指遣いをしなくてはいけないパッセージが、数多く出てきます。
また、ある意味単調と言えるハノンの練習を続けるためには、モチベーションを維持していかなくてはなりません。
その際に、どのように練習方法にバリエーションを取り入れるかが大事。
そういった意味でも本項目の練習は効果的です。
練習時間を考えて、とりあえず第1番でのみ行う練習としておきましょう。
‣ 2. フォーム改善のための練習法
· 指の保持を活用した練習法
細かなパッセージを弾くときに起きがちな
・手や指の動きが大きすぎる
・使っていない指が、ムダに動いたり突っ張ったりしている
などといったクセは、是非改善しておきたいところです。
これは一朝一夕で改善できるものではないのですが、日頃の練習に取り入れられるちょっとした改善方法があります。
それは、「ひとつの指を保持したまま、指練習する」という方法。
ハノンの第1番を例に解説します。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、1-2小節をもとに)
記譜したように、フィンガーペダルで差し支えのないひとつの指を保持します。
演奏音型によっては保持した指をまたすぐに打鍵しなくてはいけなくなり上手く使えないのですが、
この「第1番」では、譜例のように各小節の開始音を保持することができます。
このように保持することで、手全体の動きを最小限におさえることができます。
もちろん、保持していない他の指を高く上げすぎない意識は持っていないといけません。
「コルトーのピアノメトード」というエチュードに、
「4本の指の練習-1本の指を持続(指の均一と独立)No.2a-2e」という有益な練習課題がありますが、
その解説文にも指を保持して手の動きを制限することについて書かれています。
これを、ハノンにも応用してみようというわけです。
こういった練習は、毎日やらないといけないわけではありません。
・手や指の動きが大きい気がする
・使っていない指が、ムダに動いたり突っ張ったりしている
などと思ったら、方向を正すつもりで取り入れてみましょう。
‣ 3. リズムとアーティキュレーションの練習
· リズム練習の正しい理解と実践
ハノンの練習でもうひとつ気を付けるべきことは、リズム練習の行い方。
ハノンでも一般的にリズム練習は推奨されていますが、リズム練習では、リズムが寄っているせいか音価の長い音符に変な「アクセント」がついてしまっている状態になりがち。
まず考えてみてください。
「何のためにリズム練習をするのか?」
リズム練習をすることで、それだけがきっかけで指が強くなるわけではありませんし、
リズム練習をすることで、それだけがきっかけで指が速く動くようになるわけでもありません。
つまり、「そのパッセージの応用練習」であるのはもちろんですが、同時に、実際の曲で似たようなリズムが出てきたときのことを想定して練習すべき。
実際の曲では、変なところにアクセントがついていたら注意されますし、弾いていて気持ち良くもありません。
しかし、ハノンだとこれを平気でやってしまう学習者が多いのです。
また、リズムも「正しいリズムで入っているか」という観点をもって、自分の耳で良く聴かないといけません。
付点の練習なのに、リズムが前に寄って3連符のようになってしまっていないか。
ハノンなどを練習する時にいちばん気をつけないといけないのが、
「無意識に演奏上の良くないクセが付いてしまわないようにすること」です。
· スタッカートの効果的な練習方法
ハノンを、例えばスタッカートで練習するのもいいのですが、
目的を「スタッカートを練習すること」に定めて、スタッカートをハノンで練習してみるのはいかがでしょうか。
そういったときに、譜読みの不要なハノンは有効に取り入れることができます。
例えば、スタッカートの中にも
・「指を使用したスタッカート」(「速い動き」などで)
・「手と指を使用したスタッカート」(通常)
・「腕を使用したスタッカート」(キメなど、「強く」かつ「細かくない動き」などで)
など、様々なものがあるので、ハノンの繰り返しが多い特徴を上手く使って練習してみましょう。
· 不要なアクセントの防止
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、1-2小節)
この譜例で示したように、各拍頭に不要なアクセントを入れて演奏していませんか?
他の番号の練習曲でも、「拍頭」もしくは「親指や小指の音」を必要以上に強調してしまっている演奏は意外と多く聴かれます。
これは改善すべき無意識のクセ。
太さや強さが異なるそれぞれの指から奏でられる音をきちんと揃えて演奏できるようになることに練習意図があるので、
このような無意味なアクセントを入れて弾くことは効果的ではありません。無意識にラクをしているのです。
リズム変奏やアーティキュレーション変奏などで特定の音にアクセントを入れる練習もありますが、
意図的にやるのと無意識のクセでアクセントを入れてしまうのとは、本質的に異なります。
ハノンなどの基礎エチュードがシンプルに作られている理由を想像してみてください。
そのうちの一つは、譜読みなどのハードルを下げることで、自分の音をよく聴いて練習することに意識を持っていけるようにするため。
シンプルだからこそ、克服したい課題をしっかりと意識して丁寧な練習をすべき。
► C. 身体の使い方と意識すべきポイント
‣ 1. 手と指の基本フォーム
· 手掌窩(しゅしょうか)を意識する
ハノンなどの基礎練習の時にバタバタしている手を安定させるためには、どうすればいいのでしょうか。
とりあえず最低限すべきなのは「手の支えを意識して練習する時期を作る」ということです。
右手の中指を立てて上向きにして、その指をしっかりとさせておいたうえで、力を抜いた左手の手の平をかぶせてください。傘のように。
このときに、右手の指で支えるのは手のひらのどの辺りにすると安定するのかを調べてみましょう。
「手のひらの中心辺り」ここを支えた時に一番安定するように感じるはず。
このくぼんでいる部分を「手掌窩(しゅしょうか)」と言います。
「窩」は「くぼみ」という意味なので、言葉の通りですね。
傘に例えると、手掌窩は5本の指という傘の骨が集結している「ろくろ」にあたります。
この手掌窩を中指で支えている感触を、しっかりと意識してください。
そして、両手ともそこで支えられているようなイメージをもったままハノンなどの基礎練習をしてみましょう。
手の運用が安定することを実感できるはずです。
‣ 2. 全身の使い方とフォームチェック
· 呼吸の確認
「演奏中に呼吸を止めないこと」
まずこれだけは意識してください。
呼吸を止めるのがクセになってしまっている場合は、
「タイマーをセットして、それが鳴った時に呼吸が止まっていないかチェックする」
などといったように、”不意打ち” でチェックするのを定期的におこなうと良いでしょう。
· 顔と首の力み
必死になって単純練習をすると、実際の楽曲を弾いている時のような身体の状態よりも硬直し、その影響が顔にまで出てきてしまいがち。
顔に力を入れても上達しません。首が凝って、かつ、見た目にも悪影響が出るだけです。
必ず意識して改善しましょう。
首に関しても、「ストレートネック」になってしまっていると、せっかく出てくる音が美しくてもなんだかもったいない。
施術してもらわないと直せない重度のものは別としても、
単に姿勢が悪くなってしまっているのが原因の場合は、意識することで改善できます。
· 肩と腕の使い方
演奏する時には、前腕を固めたり、でしゃばらせるのではなく「前腕が上腕の言いなりになっている状態」が理想です。
しかし、上腕もリラックスしていないといけません。どうすればいいのでしょうか。
一番取りかかりやすいのは、「不必要に肩を上げない」ということ。
これらは密接に結びついており、肩が上がっている時というのは余計な力が入って身体が硬直してしまっています。
上腕もブロックしてしまう。
· 身体の使い方
これの一番の問題は「クセになってしまう」ということ。
単純練習だとリズム自体は決まりきっているので、無意識のうちに身体でカウントをとり始めてしまいがち。
これがクセになると、実際の楽曲でも振ってしまったりします。
演奏としてそういった縦割りの音楽になってしまうことは問題ですし、見た目へもいい影響を与えません。
「素人臭く見える」というのが問題です。
► 終わりに
本記事では、ハノンを効果的に活用するための様々な視点と方法を紹介してきました。
重要なポイントを振り返ってみましょう:
・基礎練習は目的を持って取り組むことが大切
・ゆっくりと丁寧な練習から始めることで、確実な技術の定着が期待できる
・ハノンは「辞書」として活用することで、より効率的な練習が可能になる
・身体の使い方を意識し、不要な力みを取り除くことで、より良い演奏につながる
ハノンの練習は、ピアノ演奏の基礎を築く重要な要素です。
しかし、ただ機械的に練習するのではなく、本記事で紹介した様々な観点を意識しながら取り組むことで、より効果的な練習となるでしょう。
日々の練習の中で、これらの点を少しずつ意識し、実践していってください。
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