【ピアノ】武満徹のピアノ作品入門:初心者におすすめの2作品
► はじめに
武満徹(1930-1996)は20世紀の日本を代表する作曲家ですが、作曲したピアノ曲はそれほど多くなくまだ触れたことがない方も多いのではないでしょうか。
中には高度な作品もありますが、ツェルニー30番入門程度から取り組めるものもあるので、本記事では:
・調性音楽から入門に適した作品を一つ
・無調性音楽から入門に適した作品を一つ
これら2作品を紹介します。
► 1. こどものためのピアノ小品
‣ 1-1. 作品概要
・作曲年:1979年
・構成:第1曲「微風」、第2曲「雲」の2曲構成
・演奏時間:約2分半(2曲合計)
・難易度:ツェルニー30番入門程度
・楽譜:3ページ
・音楽スタイル:調性音楽
‣ 1-2. 特徴
この作品は1979年から放送されたNHK教育テレビ「ピアノのおけいこ」のために作曲されました。
タイトルこそ「こどものための」となっていますが、プロのピアニストも好んで演奏する作品で、大人の学習者にとっても素晴らしいレパートリーとなります。
‣ 1-3. 学習のポイント
・テンポ変化の指示が多く、その緩急の付け方を丁寧に研究する
・テンポを戻す際の音楽の流れを意識する
・アーティキュレーションやダイナミクスの指示を細かく確認する
► 2. ロマンス
‣ 2-1. 作品概要
・作曲年:1948年
・構成:単一楽曲
・演奏時間:約4分
・難易度:ツェルニー30番修了程度
・楽譜:4ページ
・音楽スタイル:無調性音楽(部分的に旋法を使用)
‣ 2-2. 特徴
武満徹の初期作品として知られ、「こどものためのピアノ小品」と比べてより武満徹らしい音楽語法が顕著に表れています。
やや高度な作品ですが、ページ数が少なく、練習に取り組みやすい規模となっています。
► 楽譜について
両作品とも、日本ショットから1冊にまとめられた楽譜集として出版されています:
・SJ1123 武満徹:こどものためのピアノ小品とロマンス
► 終わりに:学習を始める方へ
これら2作品は、武満徹の音楽世界に入る最適な入り口となります。調性音楽から無調性音楽まで、異なる特徴を持つ作品に触れることで、彼の音楽語法をより深く理解することができるでしょう。
こどものためのピアノ小品 | ロマンス | |
---|---|---|
作曲年 | 1979年 | 1948年 |
音楽タイプ | 調性音楽 | 無調性音楽(部分的に旋法使用) |
構成 | 1. 微風、2. 雲 | 単一楽曲 |
演奏時間 | 2曲で約2分半 | 約4分 |
難易度 | ツェルニー30番入門程度 | ツェルニー30番修了程度 |
ページ数 | 3ページ | 4ページ |
武満徹のカラー | やや控えめ | はっきりと見える |
特記事項 | TV番組「ピアノのおけいこ」のために作曲 | 武満徹の初期作品 |
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