【ピアノ】装飾音と混同しやすい音符:正しいリズムで演奏するポイント
► はじめに
実際には装飾音ではないにも関わらず、短い音符を無意識に “装飾音的” に処理してしまうケースは少なくありません。
本記事では、クラシック作品の具体例を通して「装飾音と混同しやすい音型」を整理し、正しいリズム感で演奏するためのポイントを解説します。
本記事の対象者:初中級〜上級者
► 具体例
‣ 1. 2音1組の音型のスラーはじめに注意する①
モーツァルト「ピアノソナタ ハ長調 K.330 第1楽章」
譜例(PD作品、浄書ソフトで作成、147-150小節)

149小節目のメロディでは、スラーの頭の音を装飾音のように短く処理してしまう演奏が見受けられます。ここは32分音符として書かれているので、その音価をしっかり意識して演奏しましょう。
こうした2音1組の音型では、最初の高い音に重心を置く(やや意識的に響かせる)のが基本です。スラー終わりの後ろの音をそっと軽めに弾くと、自然なニュアンスが生まれます。
‣ 2. 2音1組の音型のスラーはじめに注意する②
ベートーヴェン「ピアノソナタ 第18番 変ホ長調 Op.31-3 第1楽章」
譜例(PD作品、浄書ソフトで作成、18-21小節)

構造は先ほどのモーツァルトの例と共通しています。20-21小節のリズムをよく確認し、最初の音が装飾音のように短くならないよう気をつけましょう。似た音型が続くほど、だんだんと流れやすくなりますので、練習の段階から意識しておくことが重要です。
この楽曲における具体的な演奏解釈をさらに学びたい方は、【ピアノ】ベートーヴェン「ピアノソナタ 第18番 変ホ長調 Op.31-3 第1楽章」演奏完全ガイド を参考にしてください。
‣ 3. 連符とプラルトリラーを区別する
ショパン「ワルツ 第6番 変ニ長調 Op.64-1(小犬)」
譜例(PD楽曲、浄書ソフトで作成、20-22小節)

この曲ではプラルトリラーが随所に登場するためか、譜例でカギマークを付けた21小節目の3連符まで、プラルトリラーのように詰め込んで弾いてしまっているケースを耳にすることがあります。プラルトリラーは装飾的に素早く処理されますが、ここはあくまで3連符として書かれています。
テンポが速い曲では特に起こりやすいので、注意点として把握しておきましょう。
併読推奨記事:
本例のような書き譜にされた装飾音について学びを深めたい方へ
【ピアノ】装飾音の書き譜:実例と演奏のポイント
「小犬のワルツ」の演奏解釈を学びたい方へ
【ピアノ】ショパン「小犬のワルツ」演奏完全ガイド
► 終わりに
装飾音と通常の音符は、見た目が似ていても役割やリズム上の意味が異なります。特にテンポの速い楽曲や、繰り返し音型では、無意識のうちに音価が短縮されやすくなります。
「短い音=装飾音的に処理する」というクセがないかを意識しながら、譜面に書かれたリズムを丁寧に再現していきましょう。今回取り上げたような注意すべき音型が出てきたら、譜読みの段階で目立つようにマークをつけるのもおすすめです。
併読推奨記事
装飾音について体系的に学びたい方におすすめのまとめ記事です。
【ピアノ】装飾音・アルペッジョ 記事まとめ:基礎から応用まで体系的に学ぶ
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